17歳女性、上顎2〜2、隣接面カリエス
前回のつづき
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403030001/
「虫歯の電気化学説」では虫歯の成因は非常にシンプルで以下の2つの条件しかない。しかしこの2つの条件を同時に満たしていなければならない。
1、酸性環境中(H+:水素イオン:プロトン)に歯牙が存在していること
2、歯牙の内外に何らかの電位差が存在していること
ではこのHA(Hydoroxyapatite)が水素イオン:H+の伝導性を持つということはどういうことなのか?
八島・藤森論文からその伝導性の図をアップしてみよう。H+がOHから隣のOHまでバケツリレーのようにCaの間を通り抜けていく。
通り抜けていくと言ってもHAの内外に電位差がないとH+は流れていかない。
H+はプラス電荷を持つのでマイナス側に引っ張られる。
つまりHAの内外に起電力が発生しないとH+は動かない。
そしてここからが重要なのだが、H+がHAの外部のマイナス電位に引っ張られてHAから飛び出す時にCaから電子を奪いH2となり、CaはCa2+となりHAから溶出し、HAの結晶構造は崩壊する。
これが虫歯というわけだ。
なんとなく分かってきたと思うが、HAつまり歯牙の周りにH+があって(酸性環境)歯牙の内部をH+が通り抜けるような起電力(電池と言ってもよい)があれば虫歯になる。
今のところ虫歯菌も糖質も出てこない。それらは虫歯という疾患にとって本質的な問題ではないということだ。
次回はその起電力とはどういうものかという話をしよう。
・・なぜこのようなことが起こるのか現代歯科医学では説明ができない。単に酸で歯が溶けるのなら全体が角砂糖を水に溶かすように溶けるはずだ。
つづく