19日、歌舞伎観劇の前に天丼のお昼ごはんを食べた。
ここのところ、なぜか天ぷらが食べたくてたまらんかった。家で揚げ物をすることはまずないので、天ぷらは外でしか食べられへん。
数寄屋橋交差点から近い茂竹へ行った。
雑居ビルの2階にあって、1階にはお品書きを書いた板がかかってるだけ。
2階に上がっていくと、「茂竹」と入った暖簾がきりっとした雰囲気の入口。
カウンターだけの10席ほどのお店。白木のカウンターがきれいに磨きこまれてる。
椅子には白いカバーがかかってる。
これぞお江戸のさっぱりとした佇まい。
メニューには、天丼と赤出しと香の物としか書かれてへん。
でも、サービスで突き出しと甘味が出る。これはいつもあるとは限らんそうや。天ぷらのネタのお下がりで作りはるおまけの品。
それが立派なもんやった。
鱒の押し寿司と、独活の皮のきんぴら、大豆と野菜を薄味で炊いたの。
どれもていねいな仕事がされてて、おいしい。
お連れさんの盛合せ天丼3000円が運ばれてきた。
ご主人が一つずつそれぞれに合うように衣を加減しながら揚げていきはった。
海老、キス、江戸前のメゴチ、白魚に野菜。
続いて私の野菜天丼1500円もできあがった。
さつまいも、茹でたにんじん、れんこん、たけのこ、とろろ芋の磯部巻き、しいたけ、えのき、いんげん、ねぎ、しその葉、ふきのとう、たらの芽。
最後にさらっとしたたれを、さっとかけはる。
おいしい、おいしい、おいしい!
季節は春。野菜の天丼にして正解やった。
赤出しには細かいさいの目切りのお豆腐とおねぎ、香の物は白菜の浅漬けときゅうり、お昆布の炊いたの、みょうがの酢漬け。
いつもはお饅頭をデザートに出しはるそうやけど、お彼岸に入ったからと、おはぎ。
奥さんと二人でやってはる。
お二人とも肌が白くてつやつや。天ぷらに使う油のせいかもしれんと言うてはった。
ご主人は粋でかっこええし、奥さんは白いエプロン(お客さんからのプレゼントやそうや)がお似合いでさっぱりとしてはる。
お昼の営業自体、サービスでやってはるようなもんやそうや。
帰りにできたての、揚げ玉までもろてきた。
お料理だけやなく、この場の雰囲気や、ご主人や女将さんとの会話までがご馳走。
年配のきれいな女性のお客さんが、一人で来ておいしそうに食べて帰っていきはった。そういうのが似合うお店。
敷居が高いわけやないけど、この店を心地ええと感じるには、ある程度の人生経験が必要かもしれん。
今日のラッキーくじは、どれもハズレやった。
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茂竹 (天ぷら / 銀座、日比谷、東銀座)