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カテゴリ:地下街
これまでも地下街への偏愛をつらつらと書いてきました。地下街の良さは何と言っても日中でも薄暗くて、擬似的な夜を体感できることです(それは映画館やプラネタリウムが好きな理由ともつながっています)。こうした薄暗い空間を好む理由が母胎回帰への願望と捉えられるのは望むところではありませんが、ともかく幼児期の体験が影響していることは確かだと思われます。子供時代に名古屋市と和歌山市に暮らしたことが地下街を好む体質となったことは間違いありません。名古屋市はそれこそ巨大地下街が張り巡らされた地域ですし、和歌山在住の頃は大阪市の各地の地下街に頻繁に連れて行ってもらったものです。さらにJR和歌山駅のステーションビルの地階には狭いながらも雑然とした商店や飲食店が並びよく明石焼を食べたのを記憶しています。
現在の地下街の多くは当時の魅惑的な空間とは随分違ったものとなっています。端的に言うと明るすぎるのです。防犯上の理由や非常時対応への配慮から照明を煌々と灯している必要があることはわかるのですが、どうしても以前の暗さを懐かしんでしまいます。そんな暗さを残している地下街は現在でもあるのでしょうか。 地下街は大雑把には法律に則って整備されたものと、個人ビルの地下に小規模に展開するタイプがあると思われます。昔のうらさびしいような気分を味あわせてくれるのは現在では主に後者に見られるようです。前者は多くの場合、改装によって随分小奇麗になってしまい危険な気配や雑然とした空間、すえた匂いといった怪しくも蠱惑的なイメージを失ってしまっており、また近年になって新規の地下街建設は増加傾向にあるということですが、現在の健康的な人々に受け入れられやすい清潔感に満ちた空間造りがなされているようです。 そういうわけで前者の地下街については、近日中に簡単におさらいして、今でも残されている数少ない魅力的なものについてはコメントしていきたいと思います。また後者のタイプの地下街については記憶に残るいくつかを紹介することにして、今後も思い出すつどに書いていければと思っています。あっ、一言加えておくと個人的には飲食店を含む地下街が好きです。商店だけの地下街には基本的には淡白な扱いになりますのでご了承ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012/01/06 10:25:13 PM
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