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カテゴリ:散歩
第二次世界大戦後、焼跡などの空地を不法占拠した青空闇市が起源となっており、やがて廃材などでバラック建ての店が建設され、小規模な商店街を形成し、これらは闇市(ヤミ市)と呼ばれました。マーケットとは狭義には、闇市(ヤミ市)に建てられた木造長屋店舗のことのようです。その後、露店整理事業などによりそのほとんどが整理されましたが、一部はまだ過去の姿を留めて活況を呈しています。
かつての闇市(ヤミ市)として知られる場所として新宿、新橋、池袋、秋葉原、吉祥寺、下北沢などがありますが、いずれもほとんど当時の面影はなくなっています。新宿西口の思い出横丁には戦後を感じはするものの、建物などは当時とはかなり違っているものと思われます。 ところで、都内各地にある商店街や駅前を歩いていると時折戦後を思わせるような古びたマーケットに出会います。これらのすべてが戦後闇市(ヤミ市)を起源とするものであるかは調査が足りず把握できておりません。 ここでは、小規模な複数の店舗が限られた空間の長屋に寄り集まっているものをマーケットとして捉えています。その名称はマーケットだけではなく、市場、マート、ストア、スーパー、商店街、ショッピングセンターなど多様です。多くのマーケットには青果店、食肉販売店、海産物店などが入居しており、奥に飲食店があったりします。多くの場合、マーケットには屋根またはアーケードが設けられているようです。 これらはどこか郷愁めいた懐かしさを感じさせてくれる物件であり、思いつくまま記録しておきたいと思います。まずは規模の大きいマーケット(むしろ市場というほうがふさわしいかも)から紹介します。 江古田市場(江古田市場通り商店会)(江古田駅) 次に紹介する下北沢駅もそうですが学生街には不思議と大きなマーケットが残っています。むしろ開発の遅れた場所に学生街が形成されるのかもしれません。調べによると大正11年の江古田駅の開業と同時に開設、戦時中の強制撤去を強いられるも戦後には復興しているそうです。食料品店や惣菜店が多く大型スーパーと共存しているのがユニークです。日中も閑散としているので頑張って持ちこたえて欲しいと思います。 下北澤驛前食品市場(下北沢駅) この食品市場も御多分に洩れず駅前再開発計画により取り壊される予定です。取り壊し反対の運動が起こっていますが、なんとか残していってもらいたいものです。食料品をはじめありとあらゆる種類の店舗が入っていて散策向き。「らぶきょう/bar なまず」「MOET'S CURRY」「てっちゃん」といった飲食店も入っていて「三好野」で一杯いただきました。 亀有食品市場(亀有駅) 亀有駅南口駅前は再開発ですっかり様変わりしてしまいましたが、少し路地を入ると驚くほどさびれた市場があります。亀有食品市場です。雑然とした市場内は多くの食料品店がひしめいており、まるで東南アジアの小都市の市場に迷い込んだようなぞくぞくする気分に浸れます。トタン張りの建物や水飲み場などが開店当時のままの姿を留めています。日中訪れたことがないのですが、客の入りはどうなのでしょうか。 えびすストア(恵比寿駅) しゃれた街の印象が強い恵比寿ですが、よくよく歩いてみるとオンボロ建物もたくさんあります。えびすストアは、駅から徒歩1分程度の好立地にあります。さほど収益がありそうにない個人商店が維持できてきるのは、えびすストアの起源が、戦後の闇市が露天整理事業により押し込まれたという経緯によるからでしょう。生鮮食料品店や総菜屋などおなじみの店舗が入っています。通りの反対側には20店舗程の飲食店が入居する恵比寿横丁がありますが、もともとはえびすストア同様の山下ショッピングセンターというマーケットでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012/01/17 10:10:29 PM
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