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カテゴリ:神奈川県
行った町と店だけをメモしただけの貧弱極まりない情報を今こうして振り返ってみても印象がとてつもなく希薄なのです。いやこの発言にはやや誇張というか嘘が混ざっいることを正直に語っておくのがフェアというものだ。って言うか記憶を遡るまでもなくほんの少し思い返しただけでこればかりは忘れられぬ、というか忘れてはならない素晴らしい酒場と遭遇したのだから。この時の記憶をぼくが言葉として発したとして、それにはぼくを100人ばかり複製してみたところで語りが追いつかぬという事態に陥るに違いない。ともかくその思いを語るまでは順を追ってこの一日の締めくくりに至るまでの必ずしも退屈ではなく、むしろ実りの多かった行程を書き連ねることにします。
二日酔いの辛さを押して、せっかくの振替休みにも関わらずいつもよりずっと早く起床して、布団いや当時はタオルケットさえ開けていたかもしれぬけれど、とにかく寝床から何とかかんとか身を引き剥がして品川駅を目指します。京急の旅には必携の例のお得な乗車券は寸時に買い求めることができました。まず目指すのは、横須賀中央駅です。どちらかと言えば喫茶店の町というよりは、酒場の町という印象が強いのですが、その認識を覆すようなお店と出会うことが叶うのでしょうか。 横須賀を喫茶店の町と思えないでいたのには9時に開店しているはずの「喫茶 テネシー」に何度かチャレンジしたにも関わらずことごとくに裏切られ続けたということもあります。しかし、何と有難や、店内にはオレンジの照明が灯っていました。朝の早い時間にしっとりと落ち着いた喫茶店で、普通なら仕事を始める時間に異国情緒、いや横須賀にそこまての風情を求めるのは無理があるけれど、旅情を喚起する程度には独自の町並みを肌で感じつつモーニングを頂けるというのはすごい贅沢なことだと肝に銘じるのです。それにしてもこの内装の完成度はどうだ、余りにもお手本通りの造りなので、適当な表現が浮かんで来ないのです。チェーン店をこれから展開しようというならこの店に学んで貰いたいものです。あらゆる町にここを範とした店舗ができるなら、それでもう将来は何とかやっていけそうな気がします。 そのすぐそばの「珈琲専科 自家焙煎の店 Cafe Continue(コンティニュー)」にもチェーン展開に適すると思われるアイデアが溢れていました。プロの淹れる美味いコーヒーを味わうためのカウンター席に、ちょっとした商談ができそうな奥のテーブル席、これなら狭小なスペースでも存分に活用できそうです。先の店が腰を落ち着けてくつろぐなら、こちらは慌ただしく活躍する労働者が束の間の休息に立ち寄るようなお店です。 今時のコーヒーショップは従来の喫茶店の役割からどんどんと逸脱してはいないだろうか。正しいとか間違っているなんて事を言うつもりはないけれど、多くの人がノートPCやらスマホを触って今コーヒーを飲むというリラックスタイムである事を忘れてしまったかのように、いや、忘れてなどおらずそれこそが目当てで喫茶店に来ているのだろうから、コーヒーなんてきっとどうでもいのだろうし、実際コンビニに飲食スペースが設置されるようになってそれなりに利用されているのを見ると今後居室性能が高くて、長時間居座っても良ければそれでも彼らには十分なのかもしれない。「満利家」は少しも参考にはならぬかも知れないけれど、ここもじっくりと腰を据えても文句は言われないだろうし、自宅と似たような緩い空間を提供するというリタイア者たちもやがて多くなる気もします。 とまあ朝から全くタイプの違うお店を順調に巡る事ができました。他にもありますが、これらは次回のお愉しみ。これは横須賀には喫茶が足りていないんじゃないかという認識は改めなければならないな。これからの一日が楽しみです。そしてその締め括りにやはり横須賀は酒場の町と改めて確信させられることになるのですが、それをお伝えするのはまだ先の話です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/11/05 08:30:05 AM
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