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名古屋の中村遊郭界隈で最もよく知られるであろう喫茶店に向かいます。ここも以前来た際に目撃していてお決まり通りすでに閉店したものと思い込んでしまったのですが、なになに全然当たり前のように営業をしています。 言わずもがなの「COFFEE ROBIN(珈琲屋 ロビン)」であります。表からの長めも抜群ですが、やはり店内はそれに劣らず素晴らしいですねえ。店の女性お二人は母娘なのでしょうか。どうも違うように思えますが、それはまあ良いとにかくとても仲良くて麗しい間柄に思えるのです。ついカウンター席でゆっくりと言葉を交わしたい気持ちになるのですが、それはぼくの後に入って来られた旅支度という出で立ちの可愛い娘さんが肩代わりしてくれました。店の高齢の方の方は客との会話がそれはもう好きで堪らないという表情を隠そうともせずに店の歴史や朝四時から営業していること、つい先日もテレビの取材を受けた事など矢継ぎ早に話されるのでした。今回は景観を最優先して入口付近のテーブル席にさせてもらいましたが、今度伺うときにはきっとカウンター席でじっくりとお話させて頂こうと思うのでした。 まだこの時は元気だったこともあるし、この後立て続けに喫茶が出没する事を弁えていたならきっと「みゆき」には立ち寄らなかったかもしれません。一期一会を優先するのは基本的な振舞い方である事は、喫茶巡りに限った話ではなかろうからこの時のぼくの行動は否定すべきではなかろうと思うのです。しかし、その原則は名古屋のさらには中村界隈にあっては一考の余地がありそうである事を今更に学ぶことになったのでした。内装は少しばかりアメリカンな要素が散りばめられ、クラシカルなのに原色の照明が灯るというバランス感覚に幾分欠いたもので、これがもっと徹底してさえいればキッチュな景色ともなり得そうに思われますが、残念ながらそこまでは至っていませんでした。そして、客層も店の方もそうですが、かなりスナック風で苦手な方には障壁となりそうです。 途中、大門小路やら大門横丁といった呑み屋横丁があって、昼を過ぎていたならこの先のスケジュールを振り切って夕暮れ時を待つ事にしたかもしれませんが、まだその決断を下し得る時間には程遠かったのは幸いだったのでしょうか。 中村遊郭エリアを抜けると一挙に町並みが地方の住宅街という景観に変わります。根っからの田舎者のぼくにはこんな方が落ち着きます。しかしまあ落ち着く間もなく次なる喫茶店が姿を現すのが名古屋という土地なのでしょう。「喫茶 DAX」は、崩落寸前の佇まいながら、元気に営業中です。黒を基調とした店内は豪奢な照明もカッコよくシックでモダンという額面通りなら今どきのカフェバーとかにありそうなムードとも言いうるのでしょうが、そこはそれ年季の入りようが都会の類似の店とは一線を画することになるのですね。しかし、それにしても軒上の看板テントなど外観に見られる通り、内観も写真映えはしそうだけれど実態はかなりの劣化が確認でき、店の方たちもそれを良しと見做している節が窺えたので老醜を晒すギリギリの今こそ行っておくべき店かもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018/06/24 08:30:07 AM
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