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カテゴリ:千葉県
本来であれば京成大久保駅前のゆうロードにあるさほど愛嬌のある訳でもない喫茶店に寄ってから実籾駅に向かうつもりだったのです。でも実際にその喫茶を見るとどうにも気乗りせぬから商店街の突き当りにある日本大学は横目にして、東邦大学付属東邦中学校・高等学校を通過してひたすらまっすぐ進むのでした。この道を進めば実籾駅に行き着くはずです。でも、でもですねその途中で看過し難い酒場を見出してしまったからこれはもう実籾のことはすっぱりと諦めて開店を待つことにしたい。すでに歩き疲れているし、天候不順で気持ちが盛り下がっているから、さっきの喫茶に引き返すことにしたのでした。間もなく夕方も近いからちょうどいいじゃないかと気持ちの切り替えをする程度の余裕はあるのでした。その喫茶のことはいずれ報告する機会があるかもしれぬけれど、取り急ぎ報告しておくべきは枯れた酒場のことです。
現役かどうかちょっと不安でありますが、よく見ると店の奥に赤い照明が灯っているのが見えます。茶色のトタンらしき素材で実用性重視の飾り気のない構えが質実さを表しているようで好感が持てます。「小料理 わかい」と小料理の文字が気になりますが、改めて訪れた際には店先に赤提灯が下がっていて安心感を与えてくれます。恐る恐る引き戸を開くと早くも店はお客でほぼ埋まっていました。といってもカウンター席のみ10席程度だから何とか席を確保できて一安心です。場所柄、やはり常連が多くて人相の悪いオヤジが聞こえるか聞こえぬかで嫌味を放ったのを聞き逃しはしなかったのでありますが、ここは大人の対応で知らぬふりを決め込むのでした。とりあえずの瓶ビールと焼鳥を注文します。一人で店をやっている女将はさり気ない様子で調理をしていますが、実はかなりの腕の持ち主らしいのだ。焼鳥は旨いし、何より勢いで注文したカワハギを始めとした刺身が抜群なのです。食材も新鮮だしそれを丁寧に処理する捌きの技も確かなものであるようです。成程、常連客がわれわれのような余所者が立ち入るのを嫌うのも無理からぬことであります。しかしですね、いい店ってのは皆で共有するくらいの度量があって然るべきではないかとも思うのです。誰だっていい店で呑みたいのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/02/13 08:30:07 AM
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