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カテゴリ:板橋区
酒場という言葉を好んで用いるのにはいくつかの理由があります。酒場という言葉は酒を呑ませる店の様々なジャンルの中ではかなりハードに感じられるのです。マイルドよりもハードな方がカッチョいい感じがします。呑み屋でもいいのだすが、呑み屋というのはどことなくさん付けしてしまいそうな、どちらかといえば敷居の低い柔らかな印象を受けるです。硬派軟派の差はあれいずれもよく用いるのは、飲食店のサブジャンルとしての役割を果たしていると思っているからです。そのまた下位に居酒屋やバー、立ち呑み屋、スナックなどなどがあるといった具合でつまりはまあ重宝な言葉でもあるのです。重宝さとハードさというのは相容れないと思うけれど、まあそういう矛盾は気にする程のことではいと割り切ることにする。しかし、酒場という言葉に見合った酒場というのに出逢うのは案外稀有なことであります。 僥倖なことに蓮根駅そばで酒場らしい酒場「酒処 しま」と遭遇することができました。ガード下の酒場としての体裁すら稀薄なもはや酒処という表示のみが辛うじてここが酒場であることを示しています。店内は一応はカウンターバー風にカウンター席が6席ほどの狭小空間となっています。けして落ち着けはしないし、ママさんもそんな風に出迎えてくれはしません。一見だろうが常連だろうが、けして温かい応対を期待できる雰囲気の人ではなさそうだし(でも突如として優しくなったりするんですね、こういうタイプの人は)、客たちだって(顔見知りのはずなのに互いに素知らぬ顔をしている)他人と容易には打ち解けそうには見えない。恐らくはお通しから始まるほとんどが500円均一らしく、財布にだってけして優しくはないと思うのだ。でもそんな必ずしも優しくない酒場に男たちは吸い寄せられるように通ってくるのだから不思議なものです。どうしてここに男たちは通い続けるのだろうか。家で呑むのともそれこそ居酒屋で呑むのとも全く違う何かに引き寄せられるのはぼくだけではないようです。毎晩こういう酒場で呑むほどにぼくは枯れてはいないけれど、いつかはこうした酒場で夜な夜な呑みたいと思うようになるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/03/25 08:30:08 AM
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