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2008.01.19
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カテゴリ:スウェーデン映画

 医師イーサクは50年に及ぶ業績を讃えられ、名誉博士号授与のため、息子の住むルンドへと赴く。
息子の嫁マリアンヌの運転で式場へ向かう途中、青年時代を過ごした旧宅に立ち寄り、過去を回想するイーサク。
その後、ヒッチハイクの若い三人組に出会って、人生の価値を見つめ直していくのだった―――



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 


 主人公・イーサク老人の心の変化を、夢と白昼夢と現実を織り交ぜて描いた、切ないような物語。
医師としての50年、人付き合いを嫌い、神経質で孤独に生きてきたイーサク。
嫁のマリアンヌが指摘するように、傍から見れば立派な紳士であっても、家族にとっては受け入れがたい冷酷に感じる気質の人物です。
それは母も同じ、息子も同じ。親子三世代に及ぶもの。
夫の厭世が理由で夫婦の仲がこじれ、マリアンヌは義父イーサクを頼って身を寄せている設定ですが、結局父もまた厭世の鏡のようで頼りにはなっていません。

そんなイーサクとマリアンヌが、博士号授与のためルンドへと向かう車の旅を、出会う人々も絡めて描いた、ロードムービーです。


冒頭の悪夢が、素晴らしい。
何かの象徴か、針のない時計。暗く人気のない街に、顔が消えかけた男がひとり現れて消える。馬車が壊れながら走り、振り落とされた棺桶には自分が横たわっている。

ぞくっとする、悪夢です。
死期の近いことを予感させるような、死への準備をしているような、記憶の断片に降りていくイーサクの夢々には、心が奪われました。
うつつと同じくらいに夢のシーンが、この作品を形作っています。


今までの生き方が変わるとき。
イーサクには、それがたった一日で起こりました。
息子の嫁との車の旅、若い三人のヒッチハイカーとの出会い、過去を受け入れて乗り越えていくのに、歳なんて関係ありません。
イーサクはおじいんちゃんであっても、沢山のものを、まだ乗り越えていなかったのでしょう。
弟に奪われた恋人との思い出、妻の不倫・・・。そんな痛々しい過去さえ乗り越えたら、あとは瑞々しい野いちごの記憶。
恋人が笑っていた、両親が釣りをしていた湖のほとりへ、彼の原風景が広がるラストに幸せな切なさと感慨が湧いてきました。


血は争えない息子も、きっと希望ある未来を手にする。そんな仄かな期待が残りました。
マリアンヌの苦しみが理解できるようになったことが、救いです。
旅行者の三人組が、暗くなりがちな物語の、いいアクセントになっていました。
女ひとりに男ふたり。
快活な女学生は、イーサクが若き日に恋焦がれた女性と同じサラという名。
ビビ・アンデショーンが二役で演じています。
サラに昔の恋人の面影を見、白昼夢を見、夢に癒され治されていく、ちょっと不思議なお話でした。



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こちらも死ぬまでに観たい映画1001本に選ばれています。




監督・脚本  イングマール・ベルイマン
撮影  グンナール・フィッシェル
音楽  エリック・ノードグレーン
出演  ヴィクトル・シェストレム 、イングリッド・チューリン 、グンナール・ビョルンストランド
ビビ・アンデショーン 、グンネル・リンドブロム 、マックス・フォン・シドー

(モノクロ/90分/スウェーデン/SMULTRON-STALLET)









Last updated  2008.01.20 22:16:24
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