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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イラン映画
いまだ表現の自由が許されないイランで、ほんとうにあった出来事の映画化。インディ・ロックを愛する若きミュージシャンたちのリアルな実情を、ドキュメンタリーを観る感覚で垣間見ることができる。 (あらすじ)ふたりでバンドを組むベガルとアシュカンは、好きな音楽をやるためにイラン出国を決意した。 違法ビザやパスポートの手配は、便利屋ナデルが一手に引き受け、出国の日までのわずかな日数を、コンサートの準備と新たなバンドメンバー探しにいそしむのだったが―――。 テヘランの街の片隅、ベガルたちは、音を潜めながら大好きなロックを歌い続けているたくさんのミュージシャンたちと出会う。 牛小屋や地下室やビルの屋上・・・・アンダーグラウンドで活動する彼らは個性に満ちている。 演じているは、みんな実在している歌手たちで、見応えある演奏シーンが合間に幾度も挿入される演出がたのしい。 撮影後、監督らは逃げるようにイランから出国したそうだから、楽しんでばかりもいられないのだけれど。。 好きな音楽さえ続けられなんて、なんて辛い。簡単なことが難しい国・・・。こういう時はほんとうに日本に生まれてよかったと思うよね。 困難ばかりだからこそ、ロックに心があるし、魂からの叫びがメッセージを放つとしても、それを外に表現できないなんて辛すぎる。 バフマン・ゴバディ監督といえば、イラクの戦争孤児たちをシビアに描いた『亀も空を飛ぶ』が鮮烈だった。 本作の舞台はイランだし、テーマは身近なものだし、当然趣は違うけれど、実話に基づいて描かれたラストシーンだけは、『亀も空を飛ぶ』を彷彿とさせた。甘くないイランという国の現実にハッとさせられてしまう。 監督 バフマン・ゴバディ 脚本 バフマン・ゴバディ ロクサナ・サベリ ホセイン・M・アプケナール 撮影 トゥラジ・アスラニー 出演 ネガル・シャガギ アシュカン・クーシャンネジャード ハメッド・ベーダード (NO ONE KNOWS ABOUT PERSIAN CATS/106min) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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