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テーマ:洋楽(3384)
カテゴリ:ザ・バンド解説
バンドのオトはしばし「シンプル」と評されますが、私にはどうも不本意です。 こんなに濃厚なダシが利いているし、さまざまな技巧が駆使されているではないですか? 私は、ザ・バンドは「玄妙なサウンド」なんだと思っています。 1958年にバンドを結成、 ロニー・ホーキンス、ボブ・ディランのバックバンドなどを経て、1968年このアルバムでデビューしました。 遅咲きの演歌歌手がしばしば大成するように、ザ・バンドもこのアルバムがロック界に大きな衝撃を与え、たちまちロック界の超実力派バンドとして尊敬を集めるようになりました。 全員がボーカリストでありマルチプレイヤー。 だから曲ごとに微妙に印象が入れ替わり、聴き飽きるということがありません。 ときどき取り出して聴くたんびに、ああ~ええな~という気分になれます。 「一ヶ月ぶりのお風呂感覚」とでも言いましょうか(汚ねぇ!)。 しかもこのサウンドはもう二度と再現されることはないのです。 1976 ライブ映像「ラスト・ワルツ」を残しバンド解散 1986 リチャード・マニュエル 自殺 1999 リック・ダンコ ウッドストックの自宅で病死 さあ、湿っぽいハナシはやめにしてロック界最高のサウンドを味わいますか・・。 こりは★★★★★以外は考えられそうもありません。 1.Tears of Rage あ~、なんて物悲しいボーカルでありサウンド。 リチャード・マニュエルのヴォーカルが入った瞬間、ぐっと引き込まれます。 ドラムのフレーズも大変よろしいのはもとより、レヴォンは実にサウンドづくりに独創性をみせております。小学校の通信簿では「創意工夫」の欄に◎がついていたに違いありません。 ここではスナッピー(スネアの裏にあるギザギザの針金ね)を外してポポンという音にして叩いてる模様です。しかしタメたタイミングですね~。半拍遅らせているとインタビューで語っていました。 2.To Kingdom Come イイ曲!ドラムのAメロの頭に入るオカズが、入れ替わるボーカルが、アクの強いギターソロが、すべて楽しい。よく動くベースもホント聴き飽きません。 3.In a Station これもイイ曲!(おい・・) 歌詞、曲にそれぞれが最高の味付けをしてます。 「真・中華一番!」から引用すれば、 「まさにー中国料理海最強の夢組が料理の王道楽土をつくりだしている・・!!」 といった感じですね(おい・・)。 (出典:「中華一番」) 4.Caledonia Mission 曲もいいが、ドラムのハイハットの音が渋くてナイスですっ。 5.Weight バンド最高のメジャー曲です。 誰にでも好かれるメロディ、必然にして的確な演奏、 コーラスも彩り豊かで、「風土」を感じます・・。 歌詞についてはこの「なつメロ英語」に大変よく紹介されています。 http://www.eigo21.com/03/pops/weight.htm ロビー・ロバートソンは歌詞には全然関心のないヒトだったとか。 6.We Can Talk どうしてこういい曲が続くかな。クラプトンが憧れるわけです。 ガース・ハドソンによる泥臭く華麗な(?)キーボがいかにもバンドです。 7.Long Black Veil アルバムの中ではシンプルな構成の曲です。これが一番印象に残りませんが、聴き込むとよくなります。 8.Chest Fever うなるようなキーボの後に、「のたっ、のたっ」と入ってくるドラムがよいです。 ベースがコード弾きのようなことをしていますが、これは何という奏法でしょう。 途中曲調が変わったところがレトロでいいんだなあこれが。 こういう展開、当時ムーンライダースとかも参考にしたかなあ、という気がしますね。 後半、キーボとベースが呼応しあう感じになるのが素敵です。 9.Lonesome Suzie 超名曲だなあ。なぜかこの曲だけ甘いエコーが・・(笑)。 10.,This Wheel's on Fire この曲も若いときから大好きでした。 この哀愁を帯びたメロがなんともいえません。 11.I Shall Be Released この曲、何回聴いたかわかりません。 Weightと続けて聴くと、なんとなく新訳聖書の世界に入ったような気分になるのでありました。今聴いても超名曲。 このサラララッていう音はブラシ叩いてるんじゃなくてスネアをギターのように持って、スナッピーをひっかいて出したんだそうです。ど、どうすればそのような発想が。 最後にアメリカの公式HPからいただいたSong-by-song Creditsを。 1. Tears Of Rage Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Rick Danko: Back Vocal & Bass Robbie Robertson: Electric Guitar Garth Hudson: Lowrey Organ & Soprano Sax Levon Helm: Drums & Tamburine John Simon: Tenor Sax 2. To Kingdome Come Robbie Robertson: Lead Vocal & Electric Guitar Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Rick Danko: Bass Levon Helm: Drums Garth Hudson: Lowrey Organ 3. In A Station Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Rick Danko: Back Vocal & Bass Robbie Robertson: Electric Guitar & Acoustic Guitar Garth Hudson: Clavinette & Electric Piano Levon Helm: Drums 4. Caledonia Mission Rick Danko: Lead Vocal & Bass Richard Manuel: Back Vocal Robbie Robertson: Electric Guitar & Acoustic Guitar Garth Hudson: Lowrey Organ Levon Helm: Drums John Simon: Piano 5. The Weight Levon Helm: Lead Vocal & Drums Rick Danko: Lead Vocal & Bass Richard Manuel: Back Vocal & Hammond Organ (cut) Robbie Robertson: Acoustic Guitar Garth Hudson: Piano 6. We Can Talk Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Levon Helm: Lead Vocal & Drums Rick Danko: Back Vocal & Bass Robbie Robertson: Electric Guitar Garth Hudson: Lowrey Organ 7. Long Black Veil Rick Danko: Lead Vocal & Bass Richard Manuel: Back Vocal & Electric Piano Levon Helm: Back Vocal & Drums Robbie Robertson: Acoustic Guitar Garth Hudson: Lowrey Organ 8. Chest Fever Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Robbie Robertson: Electric Guitar Rick Danko: Bass & Violin Levon Helm: Drums Garth Hudson: Lowrey Organ & Tenor Sax John Simon: Bariton Sax 9. Lonesome Suzie Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Robbie Robertson: Electric Guitar Rick Danko: Bass Levon Helm: Drums Garth Hudson: Lowrey Organ & Soprano Sax 10. This Wheel's On Fire Rick Danko: Lead Vocal & Bass Richard Manuel: Back Vocal & Piano Robbie Robertson: Electric Guitar Garth Hudson: Clavinette (with Fuzz) & Lowrey Organ Levon Helm: Drums 11. I Shall Be Released Richard Manuel: Lead Vocal & Piano Levon Helm: Back Vocal & Drums Rick Danko: Back Vocal & Bass Robbie Robertson: Acoustic Guitar Garth Hudson: Lowrey Organ ザ・バンド/ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク
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