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カテゴリ:ジェフ・ベック解説
ううう、こういう名作について書くとなると手が震える~。 このアルバムがあまりにも曲、演奏ともに完璧で究極まで行き着いてしまったがために、その後に続くアルバムはどれもイマイチに聴こえてしまうのだが、一方、なぜかこの前に出した作品群については、この一枚によって見劣りするという感覚はない。 それどころか、もう一度聴きたくなってくる。 つまりワイヤード以降のアルバムとは・・比較の関係、 以前のアルバムとは・・相補的な関係 と、そうした関係が成り立っているようなのだ。 それは一体なぜなんだろう?? (ただし、THERE AND BACKはそう見劣りしないアルバムだと思う) いずれにせよ、これは★★★★★しかないでしょう。 ギターについては素人なので、平板なコメントになってしまった。 1.Red Boots 誰がアレンジしたとしてもこれ以上絶対に良くならないと思えるほど、カッチリとまとまった作品だ。 とりわけナラダのドラムは驚異的だ。物凄く上手い。 リフのところのハイハットの使い方やタムの間などは絶句してしまう。 ベックのギターは抽象的ながらロック魂の塊であり、聴きこめば聴きこむほどに細やかな味わいが出ている。ヤンハマーとは「2人ジグソー状態」でぴったりとハマっている。 2.Come Dancing ベースのリフのカッコよさに脱帽。クールなバッキングの上に、ゴリッとした肌触りのギター(運指がジャズ畑のヒトとは違うんだと指摘していた人がいたっけ。)、つるつるっとしたシンセ、ジャジーなピアノが交錯し、静かなバトルを続ける。 3.Goodbye Pork Pie Hat 押さえの効いた、ハイレベルなバッキング。ベックのギターがいやがうえにも引き立つ。ベックの息遣いが聞こえるような細やかな音色の変化に、いつまでも耳を澄ましていたくなる。 4.Head for Backstage Pass こういうテンションの高いリズムで聴かせてしまう曲、好きだな~。 早いフレーズも太く明確に響く、筋肉質なベースがエキサイティング! タータラララタータラララ、パータドドドドドドド・・ という(笑)ドラムのカラみかたもセンス最高だ。 私はここのキメ、手が出ない。あのしぶといタムのロールやっているうちにタイムがわからなくなる恐れが大アリなのだ(笑)。 ここでもベックのギターはあくまでもニクいほどにロックし、ゴキゲンである。 5.Blue Wind ベックが好んでライブでやる曲。 ハマーがシンセでベース音を出しているだけでなく、なんとドラムも演奏している。 ベースはボヨボヨしていて独自の食感があるが、ドラムはいただけません!! フィルインが幼稚な上にバタバタしてます。 ナラダなら「大リーグボール養成ギブス」をしていても、もうちょっとマシなはずだぞ~(どういう表現か)。 ベックもよくこんな演奏を通過させたな~。 6.Sophie 歯切れのいいリズムセッションに戻り、ほっと一息。 曲全体もなんか爽快ではありませんか。「清涼スーツ」というか・・(笑)。 しかも、こういう上昇系の音階は元気が出てくるな~。 ここはヤンハマーのウデの見せ所だ、その才能がいかんなく発揮されております。 それに触発されて、ベックも参戦。ベック、やっぱり先にワザをかけられて燃えるタイプなのか~ウルトラマンというか力道山というか・・(古!)。 7.Play with Me このドラムもナラダだろうか?ズシッと腰が入っていてロールが繊細。 全体のアンサンブルを心地ヨイものにしているのはミドルトンのピアノだろうか。 ハマーのソロ、ず~~~~っと耳で追っかけていきたくなる、不思議な魅力がある。 8.Love is Green リー・リトナーあたりが演りそうな気もしません? 聴く人によってさまざまな情景が浮かんでくるのではないか。不思議な「佇み感」がある。この曲、エンディングが無性に好きであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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