11月第3回‘お探し物は図書室まで’
11月第3回‘お探し物は図書室まで’2021年本屋大賞2位。人気で借りられるまで大分待ちました。読み始めから何か物足りない感じが。けっこうライトな雰囲気な読み応えで、正直なところ本屋大賞2位とはこれくらいなのか...と思いました。でも、全五章あるうちの三章目くらいから、ボディブローが効き始めるといった感じで、どんどん読み進めてしまった。読み終えてからはさすが本屋大賞2位と思いました。(私は1位の52ヘルツ~よりもこちらの方が好みかな。)市井の人の日頃の思い悩みを、図書館司書の小町さんが薦める本によって、解決に導かれる...というのが大方の話なのですが、5人の悩める人々の悩みは恐らく誰しもが持つようなもので、ある意味、この本を実際に読んだ人も日頃の悩みから少し解消されてしまうだろうという試みになっているような気がしました。(恐らく意図されたものではないだろうか。実際、私は少し気分が晴れました。)本の‘チカラ’を物語にしたかったのかもしれません。ところどころ各章の登場人物たちが別の章に出てくるのも心憎い感じ。全五章の物語がちゃんとひとつの物語の世界にまとまってくる。最後はみんな前向きな気持ちになってよしよしとなってくる。劇薬でなくサプリメントのような、人々を応援するような物語集。そんな感じでしょうか。これ、映像化できそう、というか映画やドラマで見たいという気になった。ただ、一人称の小説を映像化する時は、絶対心の中の思いをちゃんと心の声として表現しないと、とも思う。映像の力を信じすぎて、なんだかよくわからないものにならないように。(表情や背中で語る演技を求めないでいいと思うのですよ。演技する人皆、高倉健さんじゃないんだから。ちょっと脱線....)因みに、1章の朋香は深川麻衣さん、5章の正雄は酒向芳さんが私の頭の中に出てきていました...(諒、夏美、浩弥は頭に浮かばなかった。肝心の小町さんは....渡辺直美さん...はちょっと違うかな。ハリセンボンの春菜さんがもっと大きくて、年をとっていたらな...とは思いますが。でも何か違うなぁ眼鏡いらないし。安藤なつさんがいいかなぁ...でも、ちょっと安藤さんは闇がありそうで私的にはピッタリ来ないのです。)お探し物は図書室まで (一般書 304) [ 青山 美智子 ]