11月第6回‘流浪の月’
11月第6回‘流浪の月’本屋大賞を受賞された作品ということで図書館に読みたい予約したら、7か月待ちだった。重たい話をドンドン読ませる。読みやすい文章になっていることもあるだろうけど、恐らくなんだか焦れったくて、この焦れったさを早く解消したくて読んでしまうということもあるのでは。それは作者の設定、物語の内容、文章力全てが相まってことなので、私は見事に作者の意図に嵌っているのだと思います。本屋大賞を取られるだけのことはあります。この前読んだ‘カケラ’もそうだったと思うのだけれども、他人のことはわからないというのはもう大前提。そしていまの時代、わかってますよ....なんて簡単に言ってあげられない世の中だとは思います。でも、多くの人が考える方向というのはあって、そこから外れると生きるのが苦しくなってくる。そんな状況になったら‘逃げれ’ばいい....というのも昨今の流行りで、この話も‘流浪’することで生きていくという終わりになっているのと思うのですが、果たしてそれで良かったのか?という疑問も持ちながら、主人公2人が寄り添い生きていく終わりにホッとしている自分もありつつ、作者に転がされているなぁと思いました。‘カケラ’‘流浪の月’ともに呑気に生きている私には思いも依らない暗い題材で、それを読ませてしまう小説家さんってすごいなぁと改めて思います。でも、次は明るい話を読みたいな。流浪の月 [ 凪良 ゆう ]