9月第7回‘東京藝大ものがたり’
9月第7回‘東京藝大ものがたり’図書館で借りてきました。マンガなんですけど。マンガなので30分程で読了。小さい頃は絵を描くことが好きだった(?)私は、芸術系の道に進みたいとは思っていた。けれども、中学の頃から自分の‘絵を描く’ことの限界は感じていたので、(絵を描く)その道に進もうとは思わなくなった。今更だけど、そういう道に進んでいたらどうなったのだろう...なんてことを時々思ってしまうこともあり、こういう類の話には興味があり、読んでみました。本書は‘東京藝大ものがたり’という題名ではありますが、中身は‘東京藝大 受験 ものがたり’です。最後に‘つづく’と書いてあることから、次巻から本当の‘東京藝大ものがたり’となるのかもしれません。(調べると、この作品の発表当初は 東京藝大受験ものがたり という題名だったみたいですね。単行本化するにあたって、どういうわけか 受験 が抜けたみたい。)藝大受験に関して、受験実技の難しさやそのために専門の予備校があるようなことは、私は‘ブルーピリオド’(講談社 青年漫画誌アフタヌーン連載中)を読むので大体知っていました。大きなところでけっこう‘ブルーピリオド’と被る内容なので既視感が私にはあったのですが、本書はかなりネガテイブ要素が強い印象を持ちました。でもこのネガテイブな感じは藝大受験のみならず、他の大学受験共通のものではないかと。思い返せば、大学受験というものをまったく理解していなかった高校時代の私は、正直なところ、ほとんど勉強してませんでした。現役で全滅して一浪するわけですが、予備校に行ってみて初めて大学受験とはこういうものだと知ったわけです。ただ、その時点で何をしていいかわからない(いや、自分に足らないことが多すぎて、何から手を付ければいいかわからなくなったというのが正解でしょう。)ので、更に勉強から逃げてしまった。本書の主人公とはかなり違いますが、あの頃私が感じた大学受験において迷路に迷い込んだような、‘光’が見えないその感覚は、本書を読んで感じたネガティブ要素に近いような気がします。本書では4度目の受験前に主人公が(受験成功に導かれるだろう)感覚を得て見事藝大合格するわけです。このあたりはちょっときれいごと感があるし、それはひとつの要素で、合格するためにはもっと他にも重要なことがあるのではないかと思うところですが、何か自ら道を開くための‘光’(感覚、覚悟、思い)を見つけ出さないと合格しないのは、そうかなという気はしました。(ちょっと同じような感覚を私が持てたのは、1級建築士の製図試験の時だったかも。もっと若い時にそういうことがわかっていれば、人生もっと良くなっていたかもしれないのに...)藝大受験のみならず、全ての受験生に読んでほしい気がしました。(漫画だし、すぐ読めます。)東京藝大ものがたり [ あららぎ菜名 ]ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC) [ 山口 つばさ ]