2月第3回‘昭和史 1926-1945’
2月第3回‘昭和史 1926-1945’私は、半藤一利さんのことを1月に亡くなられたことで、初めて知りました。(まったく無知な私です。)司馬さんの本を頼りに、幕末~明治~日露戦争までの流れをなんとなく頭に入れてきたので、その後について少しは興味があったのですが、何を読めば良いかもわからず今まで来ていました。学生の時に習った歴史もなんだか大正~昭和あたりから習ったんだか習わなかったのか記憶にないくらいで抜け落ちていた感がすごくありました。残念ながら半藤さんが亡くなったことで半藤さんのことを知り、日露戦争以降の話を知るには半藤さんの本を頼りにすべしということがわかって、手始めにこの本を手に取りました。司馬さんの‘坂の上の雲’を読んでいると、日本陸軍の迷走ぶりが知れるのですが、時々、その迷走ぶりが1945まで色濃く残るような表現があって気になっていたのです。今回この本を読んで、なるほどと思いました。読んでいて暗くなります。しかし、読んでおかないといけない気もします。戦争に向かって行ってしまう流れを止められない。戦争を知らない戦後生まれの私は、戦争は絶対してはいけないものと教わってきているからか、尚更、このどうともできない流れを、なぜにこんなに愚かな判断になるのかと呆れて読むばかりなのですが、時代の空気やその時までの教育・思想はそうはさせなかったのかもしれません。この本の冒頭、半藤さんが日本の40年興亡説を書かれています。それは、ペリー来航があって、朝廷が開国を認めた1865年から始まって日露戦争に一応の勝利という形になる1905年までの40年で明治政府が中心になって日本という国をつくって完成させ、その後40年経った1945年に戦争に負けて一旦国が滅びたということで、40年かけて作った国を40年かけて滅ぼしたと説明しています。加えて、きっかり40年でないけども、1952年に講和条約で新しい日本となってから40年くらい経った1990年前後はバブル景気で日本は繁栄していたと説いてくれています。これを照らしてみると、1990年の40年後は2030年となるわけで、あと10年で日本はまたどうしようもない状況になってしまうのかもしれません。今の政府のなんだか国民とは距離のある対応を見ると、あながち間違っていないのかもしれないと思ってしまいます。(昭和初期の陸軍のような振る舞いをしていた存在を今に考えると、自民党がそういう振る舞いをしているようにも私には見えてきます。上級官僚の腐敗ぶりは世の常のようですし。)ともかく歴史に学ばないといけない。次は‘日本のいちばん長い日’を読む予定です。もちろん‘昭和史 戦後編 1945-1989’も読むつもりです。ただ、歴史を読むのはなかなかページが進まないけど...。【中古】昭和史 1926-1945/半藤 一利