12月第4回‘汝、星のごとく’
12月第4回‘汝、星のごとく’2023年本屋大賞の大賞作。図書館に借りたい予約して半年待ってやっと読めた。まずの印象は、きれいな物語ということ。設定は最近問題になっているヤングケアラー的な立場にある男女二人がお互いの「運命の人」ということで物語は収束していくのだけど、なんだか老いに手をかけられている私が読むにはすごく‘距離’を感じる物語だった。最後まで頭のどこかにある違和感になかなかページを進められなかった。私が固定観念に縛られ、理解が不能であるのは間違いないのでしょうけど。だから設定の割に、凪良さんの文章表現のチカラもあって、本当にきれいな御伽噺のような遠くの物語という感じだった。私の偏見であると理解してもらいたいけれど、少女漫画でこういうパターンあるのかも...なんて(少女漫画は読んだこともないのに...だから偏見です。)個人的には思ってしまった。まあ、私が理解不足になってしまうのも自身でもわかるかな。私は「運命の人」なんて感じたことないし、感じられたこともない。小説や漫画の原作になるような人生の物語など持っていないただの庶民だから。でも、もしかしてヤングケアラーが社会的に問題になっているのだから、この小説の設定も普通にあることで、私が今の世の中に鈍感なだけなのかも。反省してみます。若い人向けの物語なのかもしれません。人それぞれに世代や地域性、家族等の自身を取り巻く境遇に色々な葛藤があるのは間違いないけど、年を取ってしまうとそれを本当に全て受け入れてしまって、もう問題化しないように(考えるようにして)生きてしまう。(それがある意味、生きる知恵なのかもしれないけど)若い人の方が今もっている葛藤をこの物語で良い方向へ持って行くという未来を描けるのかもしれませんから。汝、星のごとく [ 凪良 ゆう ]