テーマ:映画鑑賞(1113)
カテゴリ:邦画-1970年代
★★★★★
鑑賞No:01686 製作:1974年 監督:野村芳太郎 出演:丹波哲郎/森田健作/加藤剛/緒形拳 国鉄蒲田操車場構内で轢死体が発見されるが、被害者の身元が分からず捜査は難航を極める。そして警視庁の今西刑事と西蒲田署の吉村刑事の必死の聞き込みにより得たのは、被害者が東北訛りであることと“カメダ”という言葉が唯一だった。この“カメダ”を地名と推測した2人は秋田県にある亀田という土地を洗いに行くが何の手がかりも得られなかった。被害者の身元すら分からず、迷宮入りかと思われた矢先、被害者の息子と名乗る男が現れる・・・・。 「点と線」と並ぶ松本清張の傑作推理小説の映画化。 「点と線」が時刻表を使ったアリバイトリックに重点をおいた本格推理ものに比べ、こちらは少しずつ謎が解けていく形式を取りながら、単なる推理ものではなく人間ドラマに重点をおいたような仕上がりになっている。 「東北訛り」と「カメダ」という手がかりだけで被害者の身元を洗っていく過程、被害者が分かってからは事件に遭遇するまでの足取りを追う過程、とても丁寧に分かり易く描いており、観る者への十分な配慮も感じられます。 そしてその丁寧な描き方で、被害者の人物像を見事に浮き彫りにし、ラスト30分は捜査会議と演奏シーンと放浪する親子の3つのシーンが見事に絡み合い、事件の全貌と事件に至るまでの過程を見事描ききっています。 原作、脚本、演出、そして俳優陣、すべてが一流で手抜きのない丁寧な作りゆえ、このような傑作が出来上がっていると感じました。 それにしても35年前の作品ゆえ、丹波哲郎さんはじめ、皆さん若いですね。 またすでに亡くなられた方も多くいて、懐かしい映画でもありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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コレは中学か高校生の頃に授業で見せてもらえたのですが、すっかり忘れちゃっていて、この前中居くんのドラマを観て、ああそういえば、そういう内容だったなぁ~って思い出しました☆
レビューを読むと、もう一度ちゃんと映画を観たいなぁ~。 (2009年01月31日 14時25分20秒)
りらっくままハッシー!^o^さん
松本清張は大好きで、学生の頃は代表的な作品はほとんど読破しました。 しかし逆に清張の映画作品はそれほど観ておらず、この「砂の器」も最近観たものです。 原作のイメージを損なわず丁寧に描かれているのに驚嘆しました。 今年はこれも代表作の一つである「ゼロの焦点」が映画化されるそうですが、今から楽しみです。 (2009年01月31日 15時54分38秒)
こんばんは。
これはもう、モイラの大大大好き映画のひとつです。 野村監督の名演出もさることながら、 橋本忍氏のシナリオが、とても重厚で良い作りでした。 しかし一番感銘を受けたのは、加藤嘉の名演技。 「うッうッうーーーーーー し、知らねえ、知らねえーーーー!!」 と、丹波氏の前で泣く姿、すごすぎました。 (2009年01月31日 23時16分04秒)
見たと思うのですが、よく思い出せません。もう一度見てみたくなりました。
「点と線」については、父親によく「あのアリバイもう使えないな、横須賀線が地下にもぐっちゃったから。」と聞かされていました。 蒲田も当時とはずいぶん異なるでしょうね…。 (2009年01月31日 23時45分23秒)
モイラ2007さん
たしかに演出とシナリオの素晴らしさが感じられる作品でした。 おっしゃるとおり、加藤嘉さんは熱演でしたね。我が子を思う親の気持ちがじ~んと伝わってきました。 まだまだ邦画の中にも名作はいっぱいありますね。 (2009年02月01日 11時59分35秒)
LimeGreenさん
この当時の蒲田はもちろん知りませんが、昔一度行った頃は、昭和を彷彿させるような古びた映画館があったことを覚えています。 (2009年02月01日 12時06分22秒)
緒形拳さんが素敵でしたね。
差別問題や人種問題を深く残酷に追及してました。 今の時代では映像化はできないと思いました。 中居くんのドラマになったとき いろんな差別のところをさしかえてナイーブにしてたので やはり病気のことやそこらへんはもう出せないのかと少し残念でした。 音楽もよかったです。海の画面で迫力があって壮大さがつたわりました。 お気に入り登録させてください~ (2009年02月06日 10時38分50秒)
みみ☆19さん
中居くんのドラマは見ていませんが、さすがにこの映画のような内容では現代のTVドラマでは放映できないでしょうね。 それにしても久々に見ごたえのある邦画を観た感のある映画でした。 (2009年02月07日 21時04分17秒) |
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