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テーマ:お勧めの本(7219)
カテゴリ:医療・介護一般をテーマにした本
・2020年初めに中国で報告された新型コロナウイルス(COVID-19)感染が全世界に広まって、多くの感染者と死者が出てWHOがパンデミック宣言をするに至った。その後、日本国内でも世界でも全体としては収束方向に向かって緊急事態宣言などの規制が解除される方向になっている。
・パンデミックが宣言され、日本でも緊急事態宣言が発令される中、ウイルス感染小説として読んできた「夏の厄災/篠田節子」「復活の日/小松左京」「アウトブレイク/ロビン・クック」「封鎖/仙川環」。パンデミック前に読んだ「火定/澤田瞳子」と「新型コロナウイルスの真実 | 岩田 健太郎」を入れて6作を紹介しておこうと思う。どれも面白いのでお勧め。規制が緩和されると当然ながらまた第2波、第3波が来ることは避けられないだろうとはきっと多くの人が思っていることだと思う。読んでパニックになるといけないので今のうちに読んでおいてはどうかと思う。 ・最初の本だけはノンフィクションの実用書であとはフィクションの小説。COVID-19の医学的に正しい知識が分かり易く書かれている本としてはこの「新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書) | 岩田 健太郎」がお勧め。 2020.5.9読了 ・新型コロナウイルスが猛威を振っている今、賞味期限限定な著作。著者の岩田健太郎氏といえば言わずと知れた感染症の専門家。なのにダイヤモンド・プリンセスに乗船してたった2時間で追い出されてしまったって本当!??・専門書ではなく一般に人向けに分かり易く書かれた本であるが、医療従事者が読んでも理解が深まって目からうろこ的な記載が多い。 「夏の災厄 (角川文庫) | 篠田 節子」 2020.5.1読了 ・インドネシアのある小さな島で島民を全滅させた伝染病があった。日本の大学や製薬会社が行った人体実験だったのか!?その新型日本脳炎ウイルスが埼玉県のとある地方で爆発的に流行し始め、次第に周囲に広がっていく。ウイルスは大学の実験室から?どうやって?冬を越せないはずの日本脳炎ウイルスが越冬できたのはなぜ?パニック小説でもありミステリーでもあり科学ミステリーでもある。 ・新型コロナ感染が全世界に広がってパンデミックになっているこの2020年、50年以上前にSF小説として書かれたこの作品が、「予言の書」(帯に書かれている言葉より)として、改めて広く読まれているらしい。また、あとがきによれば日本の長編SF小説の第1作目という位置づけの作品だそうだ。今、読んでみると空想的なSFというよりも、確かにかなりリアルな予言書的作品だと思える。復活の日 (角川文庫) | 小松 左京 2020.5.14読了 封鎖 | 仙川環 ・青沼集落は道路を封鎖されて地理的に、電話もインターネットも通じなくなって情・地元に住む看護師の静香と3人の医者(紺野 新島 松下)がそれぞれの立場から、この感染症と戦うストーリー。そして集落内の人間関係も絡んで、ちょっとあり得んだろうという設定やストーリーもありながら全体としてはまとまっていて面白かった。報的にも孤立させられてしまう。いったい誰が!? 火定 | 澤田 瞳子「アウトブレイク―感染 (ハヤカワ文庫NV) | 林 克己, ロビン・クック」 ・1976年にザイールで発生したエボラ出血熱が時を隔ててアメリカの各所で飛び石的に発生、初発患者は医師、発症前に追いはぎにあっている・・・CDCの新米医師マリッサが解明のヒントを得るが上司や同僚から孤立してしまい、頼りにしていた恋人は・・・ ●奈良時代に新羅に行った使節団が持ち帰ってしまった天然痘による悲劇をいろいろな立場(民衆、虐げられた者たち、上流階級の人たち、医師、僧侶など)から描いた重いテーマの歴史小説だけどダイナミックでとても読みやすかった。歴史を受け継いで今、医師であるという立場からも読んでみて良かったと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.06.06 16:08:30
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