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テーマ:パーキンソン病(98)
カテゴリ:感動したこと
こちらの病院に来てからパーキンソン病の患者さん4人を受け持った。男性一人、女性3人である。いずれも10年前後経過しており、かなり進行した状態である。
パーキンソン病は50才以上の中高年者に好発する病気で手の震え、動作緩慢、筋固縮、転びやすいなどの症状で始まり次第に進行して嚥下筋の障害で食べられなくなり上記4人の内2人は胃ろうを造設している。 パーキンソン病は脳内の黒質に存在するドパミン神経細胞が次第に脱落することから発病する。 今iPS細胞を使ってドパミン産生細胞を脳内に植え込む研究が行われているが、まだ実用化には至っておらず、現在の治療法はもっぱらドパミン製剤を外部から投与、つまり内服してもらう方法である。 ドパミン産生細胞を脳内に植え付けることが出来れば日本に20万人以上いるパーキンソン病患者さんは救われることになり、その完成が待ち遠しいところだ。 ロシア大統領プーチン氏は信じられない言動をしており、パーキンソン病ではないかとの推測がなされたことがあったが、病初期の段階では異常言動は少なく、初期では痙攣や動作緩慢は必発なのでプーチン氏のパーキンソン病説は可能性は少ないと思われる。 病期が10年、15年と経ってくるにつれてレビー小体認知症などを合併して妄想や幻覚、思い込んだことは絶対変更しないなどの症状が出ることがあるが、それは病期が進んでからで、プーチン氏には当てはまらないと思われる。上記の男性患者さんについては思い込んだら誰が何といっても受け入れない傾向が見られたが、元々の性格もあり、それがパーキンソン病によって増強されたという印象であった。 女性3人については病気が進んで二人は胃ろう栄養で会話も殆ど出来ない状態で寝たきりである。大小便の管理や体の清潔(入浴)、褥瘡予防のための体位変換等が必要である。看護師や理学療法士などが良く対応してくれているがかなり大変だ。それなのに二人の旦那さんは退院後は自宅で面倒見るという。看護師などのプロが複数で対応してもかなり大変な仕事なのにそれを今回入院するまでは自分でやってきたので退院後もやってみるとのことだった。凄いことで頭が下がった。 もう一人のまだ胃ろうを造っていない女性患者さんも大小便の世話、入浴は上記2人の患者さんと同じだ。それなのに当院に入院する以前は旦那さんが自宅で全部面倒を見てきた。入院してからはコロナで面会できないので3日置き位に手紙を届けてくる。患者さんは字を読んだり返事を書いたり出来ないので看護師さんが読んであげてそれに対する患者さんの反応に一喜一憂している。 3人の患者さんの旦那さん達の献身ぶりに感銘を受けている。今こんな状態になっても旦那さん達が優しく奥さん孝行をしてくれるのは奥さんが病気になる前に旦那さんに献身的によく尽くしてくれたからなのかなと想像しているが詳しくは聞いていない。 いずれにしてもパーキンソン病は徐々に進行していき自分が思うような動きが出来なくなり、周りの人の世話が無ければ生きていけなくなる病気だが、3人の患者さん何れもそのような不自由な体になってしまったが旦那さん達が献身的に看病しており、救われている所もあると思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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