独居老人のコラム・椿の花から和生菓子を連想・ネットカフェで執筆中・小説「日本初の本格的お菓子は「かりん糖」
★…椿…椿の花を見ていたら無性に「和生菓子」を食べたくなった。しかし、和菓子の専門店はそんなにない。しかも、和菓子を1個や2個買うのも気が恥ずかしい。
スーパーでも和菓子の個包装は売ってはいるが、本格的生菓子はほとんどない。こうして季節の花を愛でながら和菓子を連想するのは元気に生きている証拠だという証になるのかな?…ボケは相当進行中。
★…ネットカフェで執筆中
パソコンがパンクしたために各種のブログをネットカフェで更新しています。このブースは個室ではなく、オープンPCカフェでいわゆる大部屋になる。その分3時間以内なら515円と安い。さらに画像のモーニングサービスは無料(フリードリンク)、そして100円引きの券があれば415円になる。(快活クラブ 西院駅前店)
★…小説「平安時代のお菓子とは唐菓子で果物、木の実の乾燥した物…日本初の本格的お菓子は「かりん糖」
平安時代の貴族は甘いもの大好き人間の集団で全国から甘い果物と甘いお菓子の献上品をことのほか喜んでいた。この献上品とは年貢などではなく皇族や貴族に試食してもらい嵯峨天皇に「これは旨い」という一言をもらいそれを宣伝に使っていた。一番名誉なことは皇族に商品を納入する権利でもある「宮内省御用達」の看板を店頭に飾ることであった。
この宮内省御用達の商人は宮中に自由に出入りができて各皇族や貴族にその扱っている商品のセールスができるという利点があった。ただ宮中には自由に出入りはできるものの窓口は下級役人を通じて中級役人、そしてさらに有力貴族に口利きをしてもらわなくては天皇にまでは届かない。そうなるとここにワイロが発生するのは現在とまったく同じになる。(東京都の頭の黒いネズミ)
822年のこのころの唐菓子といえば果物になる。しかしこれは季節に関係があるから年中は食べられない、そこで干し柿、栗のような保存が利く甘いものを唐菓子と呼ぶようになった。稲荷神社三代目の宮司の伊蔵は神社の土産品にこれらを売ろうと思ってはいたが、これらは高価なもので一般庶民には手が出なかった。そこで伊蔵は稲荷大学の成長経済部の学生に安価で日持ちがする甘い日本初のお土産お菓子を研究してほしいと要請していた。
学生らはこの研究に没頭してやっとできたのか伊蔵に報告をしていた。
「伊蔵さま、米粉と小麦粉を半々使い、これを長さ10センチの丸い棒状に延ばして荏胡麻で揚げました。それに甘葛(ブドウ科のツル性植物)のツルを煮詰めたものをさらに水分を飛ばした甘い汁をからましたものですが…」
「ほう、これはいい匂いがしてなかなか美味だが、なにか問題があるのか?」
「はい、これはそのまま食べるのにはいいですが、なにせお土産ともなると信者の旅人が背中に背たろうて何日も歩かなければなりません。そうなると折れたり、形が崩れて商品価値がなくなってしまいます」
「そか、それならこの棒状の物からひねり、ねじりをかければ表面面積が多くなりその分固くなり表面にも甘味料がよくからむ」
「はい、そうですね~それならこの棒を3センチほどと短く切れば強度も増します」
こうしてできたお菓子を嵯峨天皇に献上していた。天皇は、
「ほう、これは匂いもいいが、カリカリして旨い、それに上品な甘さがいい」
「はい、それを稲荷神社のお土産にしたいのですが、ぜひ天皇にこのお菓子の名前を…」
「そか、それより先にお主に見せたいものがある」
「はいはい、またですか?…天皇」
天皇はなにやら声をかけると奥からこれまた若い姫が出てきて伊蔵に挨拶をしている。その姫は近江の呉服商の高島屋の孫娘で15歳の「果林」という。その高島屋が都に本店を置き、宮内庁御用達にしてほしいという陳情があり、そのワイロにこの果林を差し出したということは天皇からその経緯を聞かなくても伊蔵は宮中の噂で知っていた。当時の未成年というのは15歳以下の事で男も女も15歳からは立派な成人としていたから天皇は法律違反を犯してはいなかったことになる。
その果林がこのお菓子を食べて、
「いやん~これ美味しいどす。これ伊蔵とやら、これは何という名前の唐菓子じゃ~」
「いえ、姫さま、それは唐のものではなくて日本最初のお菓子になります。それを天皇に命名してほしくて今夜はきたのです」
「そか、それならわらわが命名する。そう、それなら我が名を未来に残すために「かりん糖」とする」
天皇は786年生まれの36歳でもう愛妾は伊蔵の知っているだけで10人を軽く超えている。それに子供も皇后との間に6名、正式な愛妾の間には約20名、さらに一夜だけの恋だが、嵯峨天皇の子供だと認定されているのは約20名とされていた。そして今夜紹介された果林…なにはともあれ天皇が美味いといい、果林が命名した「かりん糖」は稲荷名物になり飛ぶように売れたというお話しでした。
(小説・伏見稲荷大社の物語 78話より)
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おかげさまで、この「伏見稲荷大社の物語」が大ヒット中で連日100ほどのアクセスで読まれています。さらに100話まで書く予定です。