カテゴリ:ドクターのつれづれ。
私のスピーカーの師匠のK先生よりコメントがありましたので転載いたします。
先生は日本人は為替レートに疎く、貿易立国たるべき日本にとって 円高というのは非常に不利ということを解っていないとお嘆きです。 購買力平価に比して為替レートが高いと、例えば輸出に際して国内価格130円の品の代金として100円しか払ってもらえないということなのですが、実際に「プラザ合意」以来某国に対して円高な我が日本は差額(ドル安差益?)を吸い上げられ続けてきたのです。日本が膨大な借金を抱えたのはこれが原因で、その分某国は潤ったのです。中国が1/5~1/6の人民元安を手放さないのはよく理解できると思います。国内価格の5~6倍の値段で外国に売れるのですから堪えられません。中国が世界の工場と呼ばれ、日本の産業界が壊滅してしまった原因はこれです。 いかがでしょうか? ---ここから---- 送って戴いたメイルのブログとやらを紐解くと、エアプランツさん のメッセージが有りました。それに農産物の価格が安すぎるとあ り、その原因として米国などの輸出補助金が挙げられていました 。しかし、自由な市場における不当な為替レイトには言及されて いませんでした。 輸出国名は挙げられていませんでしたが、辿るとインドの農民 の悲劇について触れられていました。従って例えばインドだとす ると、世銀による2004年のインドの通貨のOERはPPPの0.2倍で す。CIAのWDI 2007による2006年のそれは0.197倍です。つまり 、インド通貨は市場で約1/5に買い叩かれている訳です。 1/5に買い叩かれても、得た金がドルだと仮定すると、ドルをル ピーに替える時に5倍になるから、痛手は無いと想像されますが、 農産物はインドの独占商品ではなく、又、世界的に供給過剰なの で、ドル・ベースでの過当競争・買手価格で、手取りのルピーも極 めて少ないのだろうと思われます。 こう考えてくると、途上国の農民は為替によってダメイジを受けて いるのではなくて、過酷な価格競争によって受けていると思います が、先進国の農民は、逆に過酷な価格競争によって、安過ぎる価 格で輸入される農産物が、不当な為替レイトでさらに1/5程度に換 算されて国内市場に出回るのですから、輸入側は不当な為替レイ トでダメイジを受ける訳です。 こう考えてくると、不当な為替レートの是正は、先進国の農民にと ってこそ必要だと思います。輸出補助金の額は知りませんが、まさ か、農産物価格の5倍という事はないでしょう。とすれば問題は、補 助金にではなくて為替に有ると思います。 従って、少なくとも貿易決済に限っては、レイトは市場に任せず、 政府間で協議して妥当なレイトを決め、それで交換する事を義務づ けるべきです。つまり、PPPでルピーを手に入れる事を義務づけ、 インド国内市場の価格で農産物を手に入れる事を義務づけるべき です。こうすれば、不当な市場レイトを排除出来て、先進国の農民 も、不当レイトによる不当な競争を強いられる事は無くなります。補 助金の問題は、その先でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/05/17 12:17:24 AM
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