カテゴリ:虫歯の電気化学説
こういうタイトルで記事を書くのは5年ぶりです。
もう面倒なのですが、すぐに忘れ去られるので、 TAKEさんがコメントを入れてくださったので、 リンクを貼っておきます。 http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200906110002/ 今日の症例は15歳女子、左下6の咬合面カリエス。 時々自発痛+、冷水痛+。 溝のところに開いた穴は小さいのだが、 内部の象牙質だけが溶けて、がらんどうになるタイプ。 エナネル質と象牙質の自然電位(イオン化傾向)の差と、 虫歯の内外の酸素濃度勾配によって生じると思われる。 少なくとも細菌の出す酸で溶ける現象ではない。 酸で溶けるのならエナメル質も溶けるはずだ。 「虫歯の電気化学説」にまとめていますので、 ご参照ください。 もう1つ言うと、この程度の虫歯の凍みや痛みは細菌の感染によるものではなくて、 象牙質とエナメル質間の局部電池の電位差による刺激によるものと思われる。 流れるのは電子ではなくてプロトン:H+:水素イオン。 山口大の藤森先生らの研究で明らかになっています。 凍みたり痛みが出ている虫歯に重曹うがいをすると症状が消えるのは 重曹がH+を中和反応で消すからだと思われる。 内部には軟化象牙質は多少残っているが、 これを位相差顕微鏡で観察してみても、細菌はほとんどみあたらない。 象牙質のかけらばかりしか見えない。 そもそもこのタイプの虫歯の中には細菌はいません。 見たことのある歯医者がいるのでしょうか? 虫歯は細菌感染症で、虫歯は虫歯菌が出す酸で歯が溶けたものとまことしやかに説明する歯医者ばかりだが、 そもそも細菌が出すpH4程度の酸では歯は全く溶けない。 pH3の炭酸飲料に数週間浸けても溶けはしない。 エナメル質はなるべく残して、CRの接着面積を確保する。 軟化象牙質もアパタイト系裏装セメント(α-TCPセメント)が固まる程度に乾燥できれば、 残しておいてもかまわない。 この処置で象牙質は再結晶する。 軟化象牙質には細菌はいないし、そもそも細菌は虫歯の原因ではない。 接着可能な歯質が十分に確保できて、辺縁漏洩がなければ、 虫歯は残しておいてもかまいません。 念のため抗菌剤を添加したα-TCPセメントで軟化象牙質の上から裏装する。 CR充填後 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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それで象牙質が再結晶した方はどれだけいるんでしょう…しつこいようですが、臨床試験のエビデンスがなければ信用されることはないかと思います。
ざっとした数字はブログでも書けるはずだと思うんですが。。 個人病院でも外部に評価してもらったり、臨床のデータを集めて論文を作る先生もいます。 陰謀論を唱える前に科学的に証明する努力をしていただきたいです。 (2014/12/10 12:13:38 PM)
あしたさん
どれだけ?、と言われると、毎回ダイアグノデントを測って管理している方ほぼ全員と答えるしかありません。 その場合の定義はDD30以上が30以下になったということです。 今現在管理中の方は数えたことはありませんが、数百件だと思います。来られなくなった方も含めると2000件程あると思いますが、全部見たいとおっしゃるのなら、お見せします。見に来られますか? データ数ですが、例えば500件の方が年に4回来院されて、15年分ですから、3万データです。実際はその10倍ほどあるかもしれません。にたようなデータを見てもうんざりするだけですよ。。物理的にアップできません。 ダイアグノデントというカテゴリーを設けて、 ttp://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=36 5件集めましたが、みなさん似たようなものです。 見ていただけると判ると思いますが、上がったり下がったりしますが、どうしてもCR充填が必要になるケースはめったにありません。 ここにアップしているような管理失敗例?は例外的なケースです。めったになくて、この15年で数例です。このブログ内には3件程アップしていると思います。 >それで象牙質が再結晶した方はどれだけいるんでしょう…しつこいようですが、臨床試験のエビデンスがなければ信用されることはないかと思います。 >ざっとした数字はブログでも書けるはずだと思うんですが。。 >個人病院でも外部に評価してもらったり、臨床のデータを集めて論文を作る先生もいます。 >陰謀論を唱える前に科学的に証明する努力をしていただきたいです。 ----- (2014/12/10 05:40:30 PM)
こちらでは今日入荷の雑誌プレジデントがお医者さんネタなので明林堂に走りました。
たまに間違う人がいるんですが、 クルマではありません。 書店に行くと、いろいろ陳列で、 稲盛さんのビジネス関連のを発見。 実店舗ならではの出会い。 あと、トラ技の12月号。 プレジデントをパラパラしていたら、 後の方に歯医者さんネタも。 楽しみです。 いろいろ書いてあるでしょうが、 うのみにはせず、 参考程度です。 (2014/12/10 07:17:26 PM)
ロミエルさん、歯科業界も格差が目立ちます。
近くの大繁盛している歯医者もある一方で、跡継ぎもいるのにひっそり閉院するところもあります。その跡継ぎは東京に出て行くのでしょう。田舎は一見さん相手にやっていくことはできませんので、厳しいです。うちもいつまで保つやら判りませんね。。平均の2/3の売り上げしかないですから、出て行くものを絞るしか無いw残業残業、、w >こちらでは今日入荷の雑誌プレジデントがお医者さんネタなので明林堂に走りました。 >たまに間違う人がいるんですが、 >クルマではありません。 > >書店に行くと、いろいろ陳列で、 >稲盛さんのビジネス関連のを発見。 >実店舗ならではの出会い。 >あと、トラ技の12月号。 > >プレジデントをパラパラしていたら、 >後の方に歯医者さんネタも。 >楽しみです。 > >いろいろ書いてあるでしょうが、 >うのみにはせず、 >参考程度です。 > > > ----- (2014/12/10 09:22:18 PM)
あしたさん
エビデンスもなにも、重曹成分(HCO3-)が虫歯予防に有効(唾液の緩衝作用)ということは歯科衛生士向けのテキストにも載っている、歯科医療関係者ならだれでも知っている(はずの)既知の事実ですよ。 ttp://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200801170001/ それに注目しないどころか、科学的に証明せよとか、陰謀論?とおっしゃるのはちょっと理解できませんが? ダイアグノデントをお持ちの歯医者さんならどなたでも実証できます。うちでは虫歯など気にもしていません。虫歯など飲食後の重曹うがいで簡単にコントロールできますから。虫歯は克服されたと言ってよいでしょう。 >それで象牙質が再結晶した方はどれだけいるんでしょう…しつこいようですが、臨床試験のエビデンスがなければ信用されることはないかと思います。 >ざっとした数字はブログでも書けるはずだと思うんですが。。 >個人病院でも外部に評価してもらったり、臨床のデータを集めて論文を作る先生もいます。 >陰謀論を唱える前に科学的に証明する努力をしていただきたいです。 ----- (2014/12/10 10:49:14 PM)
mabo400先生
いつも読ませていただいています。重層うがいを励行しているものです。虫歯電気化学説についてはもっと理解を深めたいと思っています。 もしよろしければ、お暇なときにお教えいただければ幸いです。 1)辺縁漏洩がなければ問題ない→辺縁漏洩があれば2次カリエスが起こりうる、と考えてよいかと思いますが、その場合、悪さをするのは何だとお考えですか?細菌、栄養、酸素・・。 2)根管治療では一般的にラバーダムが必要だと言われていますが、唾液の混入は根管治療の失敗の原因になるとお考えですか。 (2014/12/16 01:05:50 PM)
magさん
辺縁漏洩というのは腐食分野では、すき間腐食とよばれていますが、その場合、酸素濃度勾配による濃淡電池の形成がメイン、電解質の滞留、もちろん細菌の繁殖を許す環境があれば、MICとなり複合要因があると考えられます。 根幹治療は専門ではないので、このブログにも全く採り上げていませんが、アペキシフィケーションでしたっけ?根尖口の自然閉鎖を狙うなら、唾液の混入は避けるべきと考えますので、ラバーダムができるようなしっかりした歯なら、するべきかもしれません。残根やエネメル質が薄くてラバーダムをかけると破折するような歯には無理でしょうが。逆にしっかり原型を留めているような歯はラバーダムなどなくても唾液を入れないで処置を完了することはできると思います。 根管治療の失敗はデッドスペースの残存という考え方なら、オブチュレーション法を使えば唾液の混入があっても超音波根管洗浄程度で十分良好な予後が得られています。 オブチュレーション法の画像は後ほどアップいたします。 >mabo400先生 > >いつも読ませていただいています。重層うがいを励行しているものです。虫歯電気化学説についてはもっと理解を深めたいと思っています。 > >もしよろしければ、お暇なときにお教えいただければ幸いです。 > >1)辺縁漏洩がなければ問題ない→辺縁漏洩があれば2次カリエスが起こりうる、と考えてよいかと思いますが、その場合、悪さをするのは何だとお考えですか?細菌、栄養、酸素・・。 > >2)根管治療では一般的にラバーダムが必要だと言われていますが、唾液の混入は根管治療の失敗の原因になるとお考えですか。 ----- (2014/12/16 03:26:37 PM)
mabo400先生
寝る間もないほどご多忙なのに、超スピードでのご回答くださりありがとうございます。恐れ入ります。 1)用語を一つ一つ調べながら理解を深めているところです。 複合要因があるということですね。 MICも過去ログで勉強中ですが、、頑張ります(><) 患者としてできることは、正しいプラークコントロールと、定期健診、メンテナンスでしょうか・・。 2)「根管治療は、より無菌的にするべし」というのが 定番なのかなと思いますが、虫歯の化学電気説で言うと、細菌は悪さをしないのかも、と思い、質問させていただきました。 根尖病巣は歯周組織が炎症をおこしたもの?とすると、虫歯の発生原因とは違う考え方をしないといけないですよね?(変なことを言っていたらすみません) >根管治療の失敗はデッドスペースの残存という考え方 でいうと、 「きっちり充填されていれば、唾液とか関係ない」と根管治療中もうがいを促す先生がおられたのですが、 やはり先生も唾液の混入はできればしない方がよいとお考えなのですね。 >根尖口の自然閉鎖 とは抜髄時のことでしょうか。 願わくば現在無問題(と思われる)の無髄歯は一生問題が起こらないでほしい・・ もっと言うならもう神経は一生取らないようにしたいです。 うまくまとまらず申し訳ありません。 それから重曹、漢字を間違えました(><) (2014/12/16 11:16:21 PM) |
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