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カテゴリ:豊島区
それにしてもまあなんと日本人というのは唐揚げが好きなのだろうか。そもそも唐揚げというものの定義が曖昧過ぎるのだと思うのです。まず食材であるけれど一般には鶏の唐揚げということになるのだろうけれど、他の肉だって見掛けるし、魚介だって野菜だって唐揚げとして提供、流通しているわけで、鶏は唐揚げの食材としては代表選手であるに過ぎぬように思えるのです。それては食材にまとわす衣にこそ出自を求めるべきなのかというとどうも事はそう単純ではないらしい。なぜか片栗粉をまとわすとそれは竜田揚げと呼ばれたり、パン粉をまぶすとそれはフライになりもする一方で、卵と小麦粉を混ぜ合わせた液を潜らせた物や果ては素揚げにした鶏すら唐揚げと呼ばれたりするのだから話は厄介です。では調理法、つまりは油で揚げるという点を根拠にしようとしてもすぐさま先のフライやら竜田揚げ、天ぷらやフリッター、とんかつなんかも基本的には油で揚げるという点では何ら相違はないのです。近頃は油を用いぬ調理法も普及してきているから最早何がなんだか分からないのです。それでも例えば人に今晩は唐揚げでビールをグイッとやりたいなあなだと誘われると、想像するだけでツバキが湧いてきたりするのです。しかし、待ちに待って訪れた店で出されたのが例えば、豚の唐揚げだったりしたら舌打ちしてしまうだろうし、ましてやカレイの唐揚げだったりしたら皿を引っくり返して席を立ちかねぬのです。でも大丈夫、まずそうはならぬのです。日本は単一民族国家などと未だに平気で述べ立てる政治家などもいるようであるが、それと似たような愚劣な思い込みが唐揚げにはあるようです。実際には新潟のカレー風味の素揚げの唐揚げなど少なからずの民族も存在する訳ですが、新潟県民も唐揚げのマジョリティがいかなるものであるかは弁えているのです。かつて新潟で過ごしたぼくが言うのだから間違いないのです。
長くなりました。大塚駅の北出口を出て、呑み屋街を抜け信号に足止めを食わされるのが倣いですが、わずかに辛抱して横断歩道を渡ればそこに「チッキンラボ」なる唐揚げ店があります。実はここに至る途中にもすでに唐揚げ専門店があるのだからまあやはり日本人は極端に状態の曖昧な唐揚げというものが堪らなく好きみたいです(こういう画一化した物言いが愚劣な政治家同様の思想に横着するのだろうなあ)。と書くといかにもぼくも唐揚げが大好きとの誤解を抱かれそうですが、実は好きには好きなのですがそうしょっちゅう食べたいというものではないのです。月に1、2度食べればいいかという程度で、しかも崎陽軒のシウマイ弁当に添えられたパサリとしたタイプが好みなのです。もも肉のジューシーというよりは脂っぽい肉質より胸肉のしっとりあっさりした味わいが好きです。これはおっさんになって消化機能に衰えが生じてきたからではなく、幼少期から変わらないのです。でもまあ時には脂のばっちり乗ったのも食べたい。ということで、もも肉2個、胸肉1個にキャベツ千切りの添えられたセットに追いキャベツをトッピングしました。もしかするとぼくはトンカツでもそうだけれど、メインよりも添えられたキャベツ千切りのほうが好きなのかもしれない。テイクアウト以外のお客さんはいないけれど、カウンター位置も高いので、ひっそりと孤独を噛み締めつつ唐揚げをサワーで流すには悪くなくて、でもまあまた来るかというとあちこちに唐揚げ屋があることだし、本物の唐揚げ探しのため、他所を訪れることになりそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/07/02 06:30:07 AM
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