テーマ:香港!!!!(950)
カテゴリ:中国、台湾
2週間にわたる反対闘争を経て、「逃亡犯条例」は実質撤回された。 だが、香港民主派の勝利かというとそうでもなさそうだ。 6月12日、デモ参加者が親中派が多数を占める立法会(香港議会)を包囲し、警察と衝突。 72人が負傷。 条例改正案の審議は延期された。 6月16日、200万人の市民の抗議デモ。 林鄭長官の辞職と、12日の警察との衝突で逮捕された人たちの釈放を求める抗議者で政府ビルは包囲された。 政府職員たちは自宅での執務を命ぜられた。 6月18日午後4時、林鄭月娥・香港特別行政区行政長官がメディアの前に姿を現した。 6月16日のデモ後、林鄭長官は「真摯に反省し、謝罪する」と述べた。 「あと3年の任期にやりたことがある」と何度も繰り返し、辞職の意思はないことを強調した。 香港ドル消滅危機で富裕層は逃走準備を始めている =今市太郎 2019年6月18日 MONEY VOICE 金融市場的にみると英国EU離脱よりも深刻な可能性 もともと香港を統治してきたイギリスの方がとうとう離脱強硬派のボリス・ジョンソン氏が次期首相に就任しそうな状況から、ユーロもポンドも下げに動いています。 しかし、自由主義圏の中でEUから離脱するかどうかというイギリスの問題とは違って、香港の場合は、独自の自治が失われることで完全に自由主義的な市場が消滅するリスクを抱えています。 金融市場から見ても、そのリスクはBREXITをはるかに超える可能性が出てきています。 香港には国際的な銀行100行あまりのうち70行以上が支店を構えており、金融市場としてはアジアでも3番目の規模を誇っています。 しかしこうした自由な取引環境が中国政府によって完全に失われることになれば、金融市場はまさに崩壊することになります。 …(略)… 「香港育ちのエリート公務員」である行政長官が、香港を抜き差しならない状況、一国二制度にシロクロをつけようとするとどうなるかが分かる状況に追い込んだ 市民のデモは鎮静化させられたかもしれない。 いっけん静まったかにみえる景色は底流から変化し始めている。 自由経済都市・香港の崩壊の序曲ととらえた資産家、富裕層は「今は小康状態に過ぎない」と受け止めている。 即ち、新たな政府の動きに合わせていつでも足抜けできる準備を進めている。 この流れは容易に変わらない。 目立たぬ形で、次々と手際よくすすめられる。 逃亡犯条例を懸念 2019年6月17日 ロイター 銀行家や法律専門家によると、香港の富裕な実業家が中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への懸念を強め、個人資産を海外に移す動きが始まっている。 こうした動きに関与した助言サービス関係者によると、ある大物実業家は法改正で政治的リスクが自らに及び得ると考え、1億ドル余りを香港のシティバンクの口座からシンガポールのシティバンクの口座に移し始めた。 同様の例をほかにも耳にしているが、いずれも目立たないように行われているという。 …(略)… 国際展開している香港の銀行のプライベートバンキング部門トップも、顧客が資金を香港からシンガポールに移していると指摘。 「彼らは中国本土の顧客ではなく、香港の富裕な顧客だ。香港の情勢は混乱している」と述べた。 「香港の富裕層は、林鄭月娥行政長官や中国の指導部が逃亡犯条例による経済的損失を理解できないほど愚かなことを見過ごせないのだ」 …(略)… 中国指導部は、政治的勝利で埋めきれないほどの経済的損失を理解したのだろう。 だが、遅過ぎた。 中国政府の「一国二制度」を侵害する姿勢により、この数年で台湾に移住した香港人は数千人レベル。 人(人材)とともに資産が流出する。 中国は、自治を守る台湾を自国の一部とみなしている。 支配を回復するための武力行使を排除していないが、香港よりは手を出しにくいだろう。 中国本土では反政府的な動きは握りつぶせば良い。 本土でないところで同じ様に振舞えば、地域ごと霧消する。 得るものがない戦いを中国指導部は繰り返す。
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最終更新日
2019年06月27日 06時00分13秒
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