テーマ:就職活動(135)
カテゴリ:中国、台湾
2022年、中国では大学の卒業生が1076万に達し、就職戦線は「超超氷河期」状態となり、「卒業即失業」という言葉が流行語になった。
新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で経済が低迷しており、卒業生の大半は「無職」のまま社会に出ざるを得ない状況となっているのだ。北京各紙が報じた。 12月、厳しいゼロコロナ政策に反対して、大学生らが白紙を掲げて、政府批判を展開する「白紙革命」が起こったほか、老齢者の医療改革に反対する「白髪革命」も大連市や広州市などで発生し、統制優先の政府に対する人民の不満が鬱積していることを示した。 2023年4月末現在の大学卒業予定者の内定率は男子学生が22%、女子学生は10%で、今年はこれまで20年間で最も厳しい状況だと報じた。若年労働者の失業の多さも話題となった。 不動産価格低下のための政府の金融引き締めと、ゼロコロナ政策による産業活動全般の低下で経済は停滞。停滞した経済を画期づけべく、中央政府は、国家予算としては2023年に過去最大の財政赤字を計上することになった。赤字はGDPの3%の3兆8800億元(約74兆円)。 EV補助金も復活するだろうし、赤字の高速鉄道は延伸され、軍事費は増大する。国民福利だけが取り残される状況が続くのだろう。 「大学は出たけれど」となり、学歴も就職に関して無力となった中国の経済社会のストレスに耐え切れず、「電子木魚」を利用する若者が増えているという。 中国の若者に「電子木魚」が流行 単調なリズムが厳しい競争社会の癒やしにNEWSポストセブン 2023年6月17日 「電子木魚」とはストレス解消系アプリのこと 中国では仕事や生活などのストレスを解消するために「電子木魚」を利用する若者が増えており、5月末現在で、あるショート動画プラットフォームでは関連する内容の動画再生回数が1億5000万回以上に達しているという。中国共産党機関紙「人民日報」が報じている。 「電子木魚」はストレス解消系アプリのことで、ネット上では「木魚を叩くという儀式を通して、自分を見つめなおし、魂を救うことができるほか、功徳を積むことができる」との利用者の感想が書き込まれている。 木魚を叩く単調なリズムは病みつきになると感じる人が多く、気分をリラックスさせる効果があるとして、様々な心理療法でも活用されているという。 電子木魚が人気を集めている背景には、中国が超学歴社会になっていることがあげられる。小学校から高校、大学まで試験の点数だけで、評価されるという厳しい現実がある。さらに大学卒業時には厳しい就職戦争が待ち受けている。中国最大手の人材会社「智聯招聘」が発表した最新のデータによると、2022年大卒者約1100万人の就職率は、例年就職率が高い工学部卒でさえ17.3%、文系学部卒の就職率は12.4%とさらに低く、「卒業と同時に即失業」という学生が大半だ。特に今年の卒業予定者は1158万人とこれまでで最も多いことから、「史上最悪の就職難になる」(同社)と予想されている。 日々厳しい競争にさらされるなか、学生を含む若者たちにとって、心を落ち着けてくれる「電子木魚」は一縷の救いとなっているともいえそうだ。 科学的共産主義哲学の創始者であるカール・マルクスは『ヘーゲル法哲学批判』の中で〈宗教上の不幸は、一つには実際の不幸のあらわれであり、一つには実際の不幸にたいする抗議である。宗教は、なやんでいる者のため息であり、また心のない世界の心情であるとともに精神のない状態の精神である。それは、民衆のアヘンである〉と批判した。
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最終更新日
2023年09月10日 06時00分11秒
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