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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
幕末の京都・壬生(みぶ)。尊皇攘夷の名の下に結成された新撰組は、表向きこそ勢いを見せるが、力を増す倒幕勢力の前に浮き足立っていた。 ある日、盛岡南部藩出身の、吉村貫一郎(中井)が入隊してくる。みすぼらしい身なりで、恥ずかしげもなく命とお金に固執する貫一郎は異彩を放つが、憎めない人柄で皆に好かれるようになる。 そんな彼に、新撰組一の猛者・斎藤一(佐藤)だけは嫌悪を感じるのだったが…。 2時間強の長さを感じます。それでも原作をカバーしきれていないと聞く、浅田次郎原作の時代劇。 浅田作品はたくさん映画化されていますね~ 一言で表せば、いい話でした。 先日のTVドラマ「はだしのゲン」で改めて思いましたが、中井貴一は巧い。 完璧といっていいほどの演技、その迫真の巧さゆえにしつこくて、デ・ニーロのように受けつけなくなる時がある・・・そういうタイプの役者さんかもしれません。 こちらもかなりの熱演で、吉村という男の、人の好い不器用な情深い生き様を、感動的に演じていました。 新撰組の末路というのは、詳しくなくても面白いものですね。 時代の移り変わる時、侍にとっては文明開化は不穏な音だったのでしょう。 吉村の娘が大人になり、年老いた斎藤が、偶然彼女と出会うところから、物語は始まります――― 家族を愛し、武士の魂を守り通した男の半生に、作品自体の出来とはうらはらに、いつの間にか泣かされていたのでした。 作品はまずまずでしたが、役者さんの顔ぶれをみて、すこし思い出したことがありました。 吉村の息子と、その幼馴染・大野次郎右衛門(三宅裕司)の息子を演じたのは、伊藤淳史と藤間宇宙。 この二人なにかどこかで・・と思ったら好きな映画「独立少年合唱団」で、2年前に主演だったふたり。 とても懐かしく、ちょっと成長した感じに嬉しくなりました。 伊藤くん、今ではすっかり有名になっていますね。 そして、中盤で組を裏切る伊藤甲子郎を演じた斉藤歩氏。 この方は北海道出身の舞台俳優さん。 もう10年以上前、札幌の様々なアーティストで構成された集団A.G.Sの舞台など、幾つか拝見したことがあって「ドレッサー」では猛感激したものでした。 まだ20代の斉藤さんが老人を演じた舞台で、その演技に釘付けになったのを今でもよく覚えています。 懐かしい。 きっと大物になるんだろうな~と思って、公演後のオフ会(じゃなく・・なんていうのだっけ)で素の姿をみていたこの役者さんが、こんなに有名な映画にまで出演していらしたとは!本当に驚いてしまいました。 勝手に名前を覚えてただけなのにね、勝手に喜んでいます。 大泉洋を昔から好きだった方も、きっと似た感覚なのかもしれませんね。 斉藤歩さん、他にもいろいろTVや映画に出演なさっているようです。 内容とは関係ないところだけ、一生懸命書いてしまいました。 本編はまずまず。 こういう邦画もたまにはいいかもしれません 監督 滝田洋二郎 原作 浅田次郎 『壬生義士伝』 脚本 中島丈博 音楽 久石譲 出演 中井貴一 、三宅裕司 、夏川結衣 、中谷美紀 、佐藤浩市 野村祐人 、斎藤歩 、伊藤淳史 、藤間宇宙 (カラー/137分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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浅田次郎って、鉄道員にしても地下鉄に乗ってでもそうですが、ある種のSF、ファンタシーなんですね。勝手に宮本輝みたいな純文学に近い作家かと思い込んでいただけに、ちょっと受け付けないところもありました。
映画もきっとその辺の意図が汲み取られないと違った方向に行ってしまうんでしょうね。 我がブログによく来てくださるNobubuさんという方の日記でダ・ヴィンチ・コードをめぐる、原作と映画化との事を書かれてましたが長編の映画化、ちょっと無理があると思いますね。よほど脚本がしっかりしてないと見るに絶えないものになってしまうんじゃないでしょうか。 (2007.08.19 18:07:30)
こんにちは。
浅田さんはまだ一度も読んだことないんです。 映画の原作で、よくお名前見かけていました。 この原作に限っては、ファンタジーでないと感じましたが、言われてみると「鉄道員」はもろにファンタジーでしたね~ 「ダ・ヴィンチ~」も映画から観てしまいましたが、原作を端折るのにまずまず上手くいっていたかな・・という印象です。 こちらは脚本に失敗しているのかも知れませんね。 (2007.08.19 18:16:02)
この本は読みました。
私、山口出身で(つまり長州藩ね) 読みながら 何だか申し訳ないような気持ちになってしまいました。 会社で読んでいて、思わず泣いてしまい、 「おっ!まずい!昼休みが終わる! 誰か来たらどうしよう」 と焦りました。 (2007.08.19 19:04:22)
こんにちは。
>私、山口出身で(つまり長州藩ね) >読みながら 何だか申し訳ないような気持ちになってしまいました。 そうでしたか~ 原作がそれほどとは、やっぱり映画には足りない部分あるような気がします。 >会社で読んでいて、思わず泣いてしまい、 >「おっ!まずい!昼休みが終わる! >誰か来たらどうしよう」 >と焦りました。 まめ子さん、堂々と感動の涙を流されるイメージでした^^ (2007.08.19 23:25:58)
私は原作を読んでなかったのでおもしろかったです。
この時代の男性は名誉や義理のために命を懸けてすごいな~とつくづく思います。 この映画を観て夫婦で『おもさげながんす』がブームでしたw (2007.08.20 09:12:48)
こんにちは!
ほんとうですね。 この時代に生きてたら、今では考えられない辛いこともいっぱいありそうで、考えさせられます。 >夫婦で『おもさげながんす』がブームでしたw ----- それはおもろいでがんす。 いいな~~ 私は一人で観ているから、こういう笑いを共有できるって羨ましい(笑) (2007.08.20 12:21:22)
ご無沙汰しています。原作には、吉村の息子の函館戦争の参加(戦死)まで描かれているようですね。小生は、本作のヒットで吉村死後のパ-ト2をつくるのかなと思っていました。
(2007.08.22 23:02:08)
>原作には、吉村の息子の函館戦争の参加(戦死)まで描かれている
そうなのですか。 しっかり者の彼が死んでしまうシーンは、あるとかなり切なかったろうと思います。 でもこれ以上長いのは・・・ 現代(明治)と幕末をいったりきたりする、回想形式はよかったですね。 (2007.08.23 08:22:02) |