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2008.08.18
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カテゴリ:フランス映画

 若い外科医の妻セブリーヌは、幼い頃のトラウマから、愛する夫にさえ体を許せずにいた。しかし外見は貞淑な彼女にも、内面には激しい情欲が渦巻いていた。淫らな妄想から逃れられない彼女は、昼間だけの娼婦“昼顔”として欲望に身を任せていく・・・。


 妄想シーン、幻想シーンのインパクトは『アンダルシアの犬』のように、やはり絶大。ブニュエルという人は、内に偏執的な一面を持っているのではないでしょうか。なんともいえず危険で乱暴。それでいて甘美さがある。


優しい夫と幸せな生活を送り、何の不自由もないセブリーヌだが、彼女は密かに欲望に疼くマゾヒスト。平凡な毎日に満足できない姿は、ブルジョア階級を皮肉るという、ブニュエルらしさでしょうか。
真摯に描いていそうで、せせら笑っているようにも感じる。見惚れてしまう美しいドヌーヴさえ、奇妙な物語の道具のようで。

ある変わり者の男アンリ(ピッコリ)との出会いをきっかけにして、娼館で働き出した彼女は、次第に明るく活発になっていきます。夫との関係はより円熟していき、すすんで体を許せるまでになるのですが・・・。
欲望が満たされることより、あらゆる束縛から開放されていくセブリーヌが印象的でした。性的な悦びは僅かな意味しか持たず、開放にこそ見える瞬間の煌めきがかけがえないもののようで。
大胆だけれど、見えそうで見せない演出は、じつにエロティックでした。

belle_de_jour_1966_reference.jpg Belle_de_jour-Luis Bunuel.jpg 

後半、順調に思えた二重生活にも、当然のように影が差し始めます。娼館に来たアンリに、娼婦の姿を知られ、彼女に夢中になった客の若いヤクザ(P・クレマンティ)からは、家庭を壊すと脅されるようになるのです。昼顔は、娼婦をやめて元の生活へと戻りますが、最愛の夫を巻き込んだ悲劇に襲われるのでした―――。
それは犯した罪への報い。

ヤクザ(冒頭の写真)を演じたクレマンティは、ものすごい存在感ですね。このほかにも有名なタイトルに多く出演しているようなので、別の映画で見られるのが楽しみです。
若い頃のヤンチャな渡部篤郎に似てる感じ。クレマンティを知っているかどうかは知りませんが、好きな役者さんなだけにこういう類似は観ていてもイヤじゃありません。

予測どおりのラストから、幻想シーンで終わっていくのは、まさか想像もつかなかった。
捉えにくさはあるけれど、ハッピーエンドなのだそうです。そうとは思えなかったのは、私だけか。最後まで、妄想をやめないセブリーヌは、どこまでも生ぬるい。幻想と区別がつかないような実在感のない主人公でありました。



監督  ルイス・ブニュエル
原作  ジョセフ・ケッセル
脚本  ジャン=クロード・カリエール  ルイス・ブニュエル
出演  カトリーヌ・ドヌーヴ、 ジャン・ソレル、 ミシェル・ピッコリ








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Last updated  2008.08.19 21:49:42
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