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2008.09.13
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カテゴリ:日本映画

 広島に原爆が投下された45年8月6日、叔父のもとへ行くため瀬戸内海を渡っていた矢須子(田中)は、突然の黒い雨を浴びてしまう。その5年後、福山市小畠村で暮らす、原爆を生きのびた人々の心の触れ合いと悲劇を描く―――。

 十代の頃、家族で観て以来の再見。
原爆といえば、毎年夏になると子ども向けに放送されていた、原爆体験者の語り聞かせで、私の胸には恐怖がべっとり焼き付いたと思う。生の言葉は、テレビという媒体を通していても、絵空事と思えない恐怖や悲しさで迫ってきたものだった。
それと地人会による朗読劇、この子たちの夏-1945・ヒロシマ ナガサキ-を思い出す。お芝居をしていた二十歳ころに、所属していた劇団と、地元の朗読会の方々と協力して、地人会さんの台本を借り同タイトルを上演したのだった。
お客さんの反応はとてもよくて、立派な舞台だった。台本は今も大事に持っていて、原爆を知る読み物としても秀逸で、その内容はとても忘れがたい。
残念ながら、地人会さんは2007年で活動を休止されたそう。

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原爆がもたらした、ピカドンによる肉体的・精神的な苦悶と悲しみ―――。
自分の健康がいつまで続くのかわからずに、不安や恐怖のなかで生きるなんて辛すぎる。徐々に原爆症が表れて、友人や隣人が七転八倒の苦しみで死んでいくのを目の当たりして、ついに自分にも同じ症状が表れたら・・・・?

得体の知れないピカの置土産は、それだけに留まらず、ウワサによる精神的な侵害も広がっていく。ピカにあった娘というだけで、見合いが破談になり続ける矢須子と、彼女を見守る叔父夫婦の苦悩は、第二の苦しみとなる。
この家族を中心に描きながら、本作は原爆の恐ろしさ全体を描いたものだ。原爆投下直後の悲惨な描写から、5年後の悲劇、そして10年後、20年後、50年後、今現在に至るまで続いている被爆者の思いを感じられる、いつまでも風化しない作品。

自動車のエンジン音を聞くと発狂してしまう悠一が印象に残る。
普段は大人しく地蔵を彫っている悠一の突然の狂気は、戦場の恐ろしさを見事に表現している。
そんな悠一と、次第に心を通わせる矢須子だが・・・。なんの罪もないふたりに、けして未来は明るくない。病に倒れ、衰弱してゆく矢須子を抱きかかえ、悠一は救急車に乗り込む。
あれほど発狂を止められなかったエンジン音さえ諸ともせず。その強さは奇跡のように。掛かるとも知れない七色の虹に望みを懸ける叔父と共に、奇跡を祈らずにいれないラストシーンだ。



監督  今村昌平
原作  井伏鱒二 『黒い雨』
脚本  今村昌平  石堂淑朗
音楽  武満徹
出演  田中好子  北村和夫  市原悦子  沢たまき

(モノクロ/113分)







Last updated  2008.09.14 16:58:36
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