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カテゴリ:ガッツリ米が食いたい日
今月初めに島根旅行に行き、美保関に泊まったことは書いた。 俺たちが泊まったのは古民家だったんだけど、晩飯はホテルで食うことになっていたので、 宿からホテルまでぷらぷらと青石畳通りを歩いていたら、途中でしょう油屋が開いていた。 開いていて当たり前だろうと思われるかもしれないが、 俺たちが歩いた、18時過ぎの美保関の表通り青石畳通りで灯りが点っていたのは、 このしょう油屋さんと2軒の酒屋さんだけだったと記憶している。 ここから先は余計な話になるけれど、 江戸時代までは、よっぽど水事情が悪くない限り、しょう油屋と造り酒屋は村々にあった。 酒と醤油の味は村(現在の○○市××町の「町」に該当する領域)で微妙に違うものだった。 ところが、酒も醤油も大量生産の波に押され工場で生産される工業製品になってしまい、 造り酒屋もしょう油屋も姿を消して行く。 そんな余計な話は置いといて、18時過ぎに一軒だけポツンと蛍光灯の灯りが点いた、 車も通れない「町のメインストリート」青石畳通りのしょう油屋が俺たちの郷愁を誘い、 太鼓醤油店の開き戸をガラガラと開けた。 しょう油アイスっていうのに一番魅かれたんだけど、飲酒前だし少し寒かったので自粛して、 再仕込みしょう油(九州でいう刺身しょう油?)・麺汁・ぽん酢の3本セットを買った。 多分、1,050円だったような気がするが、その後酔っ払いになったので覚えていない。 (3連休前の)週末だし、昼間は暖かかったが夜になって冷えてきたので鍋物にしよう。 鶏肉を買って来て水炊きにしようと思うのだが、レタスがあるのに白菜までは買えないので、 鶏肉と豆腐の他には、レタス・春菊・エノキダケ・、そしてダブついているもやしも投入。 太鼓醤油店の「美保造りぽん酢」とゆず胡椒で食うよ。このぽん酢は結構甘めだ。 せっかく水炊きなので、鶏肉と野菜のエキスがしみ出した出汁を捨てるのはもったいないと、 最後は雑炊になる。 キムチも少し余っていたので、ついでにぶち込み、キムチ雑炊。 俺が子供の頃、俺の家の近所にもしょう油屋があり(それだけで古い町だとわかる)、 横を通るたびにしょう油の甘い匂いが鼻孔をくすぐった。 そのしょう油屋はもうなくなったけれど(かろうじて他地域に親戚筋の店が残っている)、 俺は今でもあのしょう油が日本で一番美味いと思っている。 (もちろん、それは味の「すりこみ」ってやつなんだろうけれどね。) 全てのものが大企業に飲みこまれて、小さな商店は潰れるしかないけれど、 しょう油にしても味噌にしても酒にしても、ラーメンやうどんの出汁の味にしても、 日本中で同じ味のものを食っているのは、俺に言わせれば気持ち悪いことだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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