オフミの温泉メロディ

２年半ほど前、華の湯テルメ館については紹介している。

名取川の河畔に立つ抜群のロケーションを利用した露天は非常に風情があったが、そのときは山沿いの露天風呂がモーターの故障とやらで入れなかったので、今回はそちらをメインに入ってきた。


華の湯露天１ posted by (C)オフミ

この写真だけ見ると、仙台から３０分の距離にある温泉とは見えないだろう。
なかなか分厚い木立に面し、眺めは相当いい。

ただ、残念ながら湯に特徴がない。
鳴子や東鳴子といったところに浸かりすぎて、こんなに環境がいいのに、なぜかピクリとも心が動かないのだ。

鳴子、お前にさえ出会わなければ、幸せに暮らしていけたものを・・。

ひとり嘆いていると、

湯船の中で、遠くからじーっとこちらを見ているじいさんがいる。

なんだろう、気味悪いなあと目をそらし、木立を眺めながらじいさんが行ってしまうのを待った。

少ししてじいさんは上がってステテコを履いたが、今度はステテコのまま脱衣場のベンチに座って私が上がるのを待っているようだ。

私は木立を眺めながらなるべく他のことを考えるようにした。


華の湯　露天２ posted by (C)オフミ

カー、そう、カーナビゲーションなあ・・。いつも同じ口調で「右方向です。右です。」とか喋るけど詰まらないよな・・右ですというところ、左にハンドルを切ったりすると
「あッ・・右ですってばあーん」とか反応してくれないものか。

違う風にコースを走ると拗ねたりさ・・。キャラが成長していくというのも楽しい。

・・・ところで、じいさんは、まだ待っているのであった！
ううっ、のぼせるー・・。

それからカーナビな、うーん、ＣＭが入ってもかまわないよ。「現在若林区三百人町走行中。○○整形外科は、こちらがご便利です。」とか、平気。ただし、ナビ装置の料金は半額でなければならぬ。いいビジネスモデルじゃなかろうか。

・・・・ところで、じいさんは、まだ待っているのであった！
アイゴー！

カーナビはスタンプラリーの企画にも使えるよな。・・記録を残せるからスタンプいらないし。ムダに走るんだからな。スポンサーはガソリン会社か。つまらんな・・。

まだいるー。

私はアイデアも出尽くし、頭ものぼせて限界となった。
やむを得ずあがると、案の上じいさんはステテコのまま、裸の私に話しかけてきた。

「○○さんじゃないでしょうか！お久しぶりでございます！」

どうやら人違いであった。ただ、ビミョーなことにむかし私の近くで働いていた人と間違えている。

うむむ・・挨拶は服を着てからね・・。