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カテゴリ:日本のこれから(環境問題)
日本のこれから 温暖化1
去る6月7日、「地球温暖化」への対応をテーマに、番組での論議が行われました。まず、番組の内容を少しずつ紹介します。 〔内容1〕 Q CO2 排出削減でより効果があるのは? 1、先進国の排出大幅削減 2、途上国の排出コントロール 上記の問について出された意見をいくつか列挙してみよう。 ・先進国が、途上国が、という問題ではない。 両者が努力して相乗効果で成果を挙げていくべきだ。どちらかというと多くの排出をしてきた先進国がまず削減に取組むべきだろう。 ・排出量を下げるという点ではまず先進国だ。途上国の多くは(一人当たりで計算すると)先進国の1/3程度以内の二酸化炭素排出量である。これから経済成長していくというときに、削減技術もない途上国に「とにかくやれ」といっても無理がある。先進国がまず削減の実績とモデルを作ってそれを途上国に提示していくべきだ。 (テレビの視聴者の意見は 先進国がまず削減すべしという意見が約70%であった) ・問題整理 産業革命以後100ppm参加炭素が増加している。これは明らかに先進国の責任。まず、先進国がお金や技術を支援する等、先進国の責任は明確にする必要がある。 ・現在、二酸化炭素排出量のNO1がアメリカ NO2が中国。 中国の1年間の発電量の増加は、イギリスの総発電量にあたる 今増加しているその国に省エネ技術を持ち込まないとダメだ。先進国のいい技術・資金を今の段階で中国に提供することが大切だ。 ・過去の責任とこれからの責任 両方考えていく必要がある 累積排出量 3/4(先進国)と1/4(発展途上国)であり、現在の排出量は半々である。過去の排出に関する責任は先進国にあるが、将来の世代の生存権について途上国にも対応していく責任はある。 ・途上国といっても、例えば北京市内の人たちの排出量は先進国並。それは減らしていかなければならない。(途上国でも減らすべき地域とそうでない地域があるはず。) ・以上の論議はバリ島で行われたCOP13の議論そのものだ。「先進国が先にやれ」「途上国も加わるべきだ」わたしたちはそれを乗り越えて気候変動を止めなければならない。 資金も技術も途上国に移転して、削減できるような枠組みを作っていくことが大切だ。 ・私はアラスカの先住民だが、私たちの居住地域である北極圏では氷が溶けるなど変化が目に見えてきており、状況は深刻だ。私は「ものごとを人のせいにするな、」といって育てられてきた。 二酸化炭素排出の将来における影響については途上国も含めて責任を問われると考える。 〔コメント〕 全人類的な課題である温暖化問題について生放送で討論していくこの企画、「公論」を成立させるためにいろいろな工夫がなされていると感じました。また、参加者も真剣に意見を交換していたように見えます。 ただ、重要な問題で比較的弱かったように思えたのが、 「我々の生活し方をいかにして具体的に問い直していくのか」「温暖化対策にお金が必要だとすれば、それをどのように確保していくのか」という問題です。 二酸化炭素税の問題について、私は以前から「二酸化炭素を多く排出する営みにかかるコストを相対的に高め、公共交通機関や地産池消の促進などに関しては補助金を出すなど、生産・消費の行動を変えていくための“しくみ”をつくることを主張してきました。 日本における二酸化炭素排出削減の技術は、1990年以降だけをとってみてもかなり前進したように見えますが、 「製造業部門以外の排出量の大幅な増加」という事実は「生活し方の改変」を抜きにしては削減が難しいことを示しているのではないでしょうか。 もっとも、環境大臣が発言されたように「重要な問題への対策についてこの討論に見られるように様々な意見がある」ことも事実であり、「生活し方の改変」も含めて具体的な対策に踏み込む前段として、しっかり討論し、問題を共有していくことの意味は大きいといえるでしょう。 環境問題に関連する記事 (「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」について考える、「『不都合な真実』に9つの科学的誤りの誤り」等) を次のページにまとめておりますので、よろしければおいでください。 “しょう”のページへジャンプ ↑ ランキング(日本ブログ村)はこちらです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.03.30 09:01:20
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