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カテゴリ:時事問題
恐れていた軍事行動(ロシアによるウクライナ侵略・侵攻)が始まって一週間になります。民間人も対象とするこの侵略・殺戮-ロシアの軍事行動は絶対に許されることではありません。何としても止めなければならない、その方策が緊急に求められていますが、同時にこのような最悪の事態に突入する前に何とか止められなかったのか、と思わずにはいられません。 確かに、国連の立場に立っても集団的自衛権はそれぞれの国家に認められるわけですから、ウクライナがNATOに加盟する権利は当然ある。ただ、実は「キューバ危機」もこれと似かよった「事件」だったのではないか。世界一の軍事大国である米国(ミサイル基地も無数に保有している米国)から国を守るために(ソ連製の)ミサイルを設置することは「キューバの正当な権利」だと主張することは当時においても可能だったのです。 しかし、それを強行すれば「核戦争も辞さぬ」とケネディー米大統領は強い態度を示していた。全世界が核戦争の恐怖を味わったこの事件、最終的にはソ連とキューバが譲歩してミサイルの設置をとりやめた結果、核戦争を回避することができました。確かに「国家の権利」は大切ですが、破滅的な戦争を避ける現実的な方策はもっと大切でしょう。(仮に、ケネディー大統領が核ミサイルのボタンを押したら全世界から非難されたでしょうが、そうなってからでは遅いのです。)※註 もう一つ気がかりなのは、「さすがにないのでは」と思われた軍事行動が始まったことで、核兵器も含めた軍備拡大競争が急速に進み、ますます国際関係が不安定化し、壊滅的な紛争を引き起こす可能性が高まっていくのではないか、ということです。そもそも、「東西冷戦」が終わった時点でNATOという軍事同盟(ソ連を仮想敵国とする)も巨大な「軍産複合体」も過去のものとすべきだったにもかかわらず、そうなっていないのはなぜなのか。 この問題について、英国のデヴィッド・ハーヴェイによるすぐれた論説が公開されています。「ロシア-NATOの根本的問題」が提起されていますので、ぜひご一読ください。 また、オリバーストーン監督による「ウクライナ・オン・ファイアー」という映画も見ることができます。不毛で危険な駆け引き・軍拡競争・軍事同盟は何としても過去のものにしていかなければならない、と考えるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.03.18 23:34:56
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