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ゲニウス・ロキ

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Feb 6, 2009
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カテゴリ:世相
「魔女の一撃」ぎっくり腰のことを西洋ではこう呼ぶそうですね。
ぼくは幸い、まだぎっくり腰になった経験がないんですけど、なんとなく「わかる」ような気がしますね。
もう亡くなられましたが、ユング派の心理学者、河合隼雄さんの著作に「ケルト巡礼」という本があります。

河合さんはファンの多い学者さんなのでご存知の方もいっらしゃるもしれませんが、この本の最後の方で実際「魔女」と会われて対談されてるのが非常に面白いです。

中でも面白いのがケルトを背景に持つラフカディオ・ハーンを引きながら文明を論じているくだりです。

曰く「神話」の起源は農業と牧畜にあるという。農業と牧畜の発明は人類の暮らしを大きく変えていった。河合さんはそれを専門の心理学に引きつけてこう語られています。

本来人間は自己と他者、心と体、自然と人間を分けて考えることできないものだ。ところが農業と牧畜。つまり文明を持つためには神話を必要とした。
切り離されたものの「穴埋め」として物語を必要としたというわけです。

言論の世界では「大きな物語の喪失」なんてことが随分前から言われたりしていますが、神話の意義が失効してしまったかのように見える現代という時代にとって、パラレルに現れた人間の認識世界の様相といったものなのかもしれません。

人間のバカなところっていうのは、一つに「我々はどこから来て、どこへ行くのか?」などという”不毛”な問いを繰り返し行いながら世界という大海原を航海する動物だってことです。
高度工業社会は地球環境を破壊し、欧米モデルの経済システムに世界が懐疑的になっている現代という時代は、まさに「我々はどこへ行くのか?」というこのラディカルな人間の思想の方が問い直される時だ、というわけです。

簡単な話です。人類は一艘の船に乗り、海を航海する民だということです。
神話や物語はその羅針盤です。

最近、脳科学ブームだとか、スピリチュアル・カウンセルだとか、勉強法だとか、また別個の次元で自己啓発というのが盛んなっているのは、今はどーもその乗り合いの船が傾いてるんだけど、一人だけ悟りを拓いて、この「苦難」を乗り切ろうとしている状態ですよね。

「いや別に船は傾いてやしないよ、大袈裟だな」って話もありますが、上手に舵を取ろうと思えば簡単な話、チームワークが大切だという、そこに尽きる事柄だという気がするのですが、人間がもっとやっかいなのはそこに目的がくっ付かないとやる気を失っちゃうという点です。

目的、ビジョン、神話、物語ですね。例えばTVドラマの恋愛劇でもいいんです。人は物語を見て、読んで、感動したり、哀しくなっちゃたり、つまり心を揺り動かされることを明日への糧として生きている動物なんだってことが、ぼくには大切なことのような気がするのです。





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Last updated  Feb 7, 2009 12:47:29 AM


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