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gamzatti@ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

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gamzatti

gamzatti

2009.05.22
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カテゴリ:太宰治
とうとう来ました!斜陽館

太宰治の生家は、
戦後まもなく人手に渡り、
一時期は旅館として使われていました。
「斜陽館」とは、そのときの旅館の名前です。

今は自治体(旧金木町→合併後は五所川原市)に買い取られ、
維持管理されているとともに、
国の重要建造物としても指定されています。

なぜかといえば、それは
作家・太宰治の生家だからというより、
ものすごーく立派なおうちだからなのであります。

斜陽館の概観は、いろいろな媒体でお目にかかることが多いですが、
中に入ってビックリ!
広さだけでなく、建築に使っている素材(床材、レンガなど)、
意匠(明治初期の和洋の建築技術の粋を集めた)、
装飾・小物(欄間の彫りから襖絵からインテリアから)、
どれをとっても一級品なのであります。

今まで私が見学したことのあるものの中では、
東京・白金にある庭園美術館(旧浅香邸)、
東京・上野にある旧岩崎邸庭園
福島・猪苗代にある旧有栖川宮家別荘の天鏡閣
に匹敵する、いやほんとに勝るとも劣らない造りです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「金木は、私の生れた町である。
津軽平野のほぼ中央に位し、
人口五、六千の、これという特徴もないが、
どこやら都会ふうにちょっと気取った町である。
善く言えば、水のように淡白であり、
悪く言えば、
底の浅い見栄坊の町という事になっているようである。」


小説「津軽」の序編冒頭近くにあるこの文章の
「ちょっと気取った町」という形容の意味は、
この斜陽館の中を見ると非常に実感がこみあげてきます。

皇族でも、藩主でも、財閥でもない、
失礼ながら東北の片田舎の一地主でしかない津島家が、
これほどの家を持っていたなどと、
いったい誰が想像したでしょうか?

家の中には銀行の執務室まで造り、
家の周りには警察署から消防署から病院から、
ありとあらゆる公的機関をとりそろえ、
津島の家は、まさに金木王国の中心地。
王様の名前は、津島源右衛門。
東京に出た太宰治はさながら、
ロンドンに留学したインドのマハラジャの息子だったのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6月19日は、彼の誕生日であり
かつ彼の遺体が玉川上水で発見された日でもあります。
今年は生誕百年ということもあり、
金木の記念館でも5月6月は、
記念の展示もしています。

もしあなたが
一度は太宰の作品に心酔したことがあるのなら、
どんな些細な機会をとらえてでも
一度斜陽館を訪れてみてください。
そして、
改めて彼の小説をひもといてみてください。

彼が抱いた東京への憧れとコンプレックスと
そうはいっても誰一人、
自分の金木での生活に比べれば、
その東京での日常など「たいしたことない」というプライドと、
そのギャップに当惑して身悶えする
太宰の薄笑いが行間からたちのぼってきます。





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Last updated  2009.05.22 21:42:53
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