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テーマ:読書(8218)
カテゴリ:感動したこと
本当に幸福な生き方とはどのような生き方なのかを脳科学者の立場で分かりやすく解説してくれた本である。 人間の脳は人から褒められると快感を感じて幸せを感ずるように出来ているとのことである。しかし善い行いをしてもそれを誰かが見てくれなければ褒めてはもらえない。都合よいことに人間には自分の行動を具に監視する内側前頭前野という部分があり、自分の行動を記録したり評価したりするところがあるとのことである。従って人が見ていようがいまいが内側前頭前野が「すばらしい!」と評価してくれれば非常に大きな快感がもたらされて幸福を感ずるのである。心の底から人々の幸福を願っての利他行動なら絶対に揺るがない幸福感が得られるとのことである。 また脳には何かの目標を達成することで大きな喜びが感じられるような性質が具わっており、簡単な目標より困難な目標を達成した時沢山の脳内快感物質が分泌されて大きな喜びや幸福感を感ずるようになっているとのことだ。だから困難な山を登る人達が大勢いるのだなと思った。 認知症との関係では一定の年齢以上になると誰でもアルツハイマー型認知症の原因物質が脳内に溜まってくるが認知症になる人とならない人がいる。友人、家族などとの対話を意識的に積み重ね絶えず脳への刺激を取り入れている高齢者は認知症にになりずらいとのデータがある。 今までの常識では脳は成人後は新生しなくて退化するばかりであると信じられてきたが1998年ピーター・エリクソンとフレッド・ゲージの研究で大人の脳内でも新しい神経細胞が生まれることが明らかになっている。しかしこれは刺激の少ない状態ならすぐ死んでしまうので適切な刺激が必要で、有効な刺激によって生き残った新生細胞は脳内のネットワークの一部として機能していけるとのことである。 腦を若く保つには脳に適度の刺激を与えてやることが必要で適度に困難な課題を乗り越えて行くことが必須であるとのことで、「年寄りの冷や水」などと言って年寄りは難しいことは何もしないで静かにしていろとの格言は間違っているようだ。 表題に「祈り」という言葉が入っているが、祈りには良い祈りと悪い祈りがあり、人の不幸を祈るような悪い祈りは自分を病気にしたり不幸にする。競争や勝負に勝つことを祈る場合、敵が失敗してくれることを祈るのではなく、この勝負を通じて共に成長していこうと祈る時良い祈りとなって自分の幸せにつながっていくとのことである。人は大なり小なり願いがあり、祈りがある。その場合自分だけが得しよう、儲けようとする祈りでは脳は幸せは感じない。人の幸せを祈る時初めて脳は幸せを感ずるものだとのことだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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