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カテゴリ:嬉しかったこと
今年もハクモクレン(白木蓮)が咲いてくれたがかなり老木になり、勢いがない印象である。 これは昭和59年(1984年)1月24日に医学博士号を頂いた記念に植えた樹である。39歳になり老木化してやがて枯れていくだろう。医学博士号を受けた本人の寿命もだんだん乏しくなってきている。 近年、博士号よりも専門医の方が重視される傾向があり、昔より博士号にこだわる人は少なくなっているように思う。 博士号を取るには大学院に4年間在籍して博士論文を書いて授与されるか大学病院に5年以上勤務して論文を書いて論文審査で合格した場合博士号を授与される二つのコースがある。 私は後者の方法で授与されたが審査された論文は「肝機能検査の軽微異常値の評価」という研究である。人間ドックなどでGOT、GPT、ALP、LDH、ビリルビン、アルブミンなど肝機能に関係する項目について基準値をはるかに超えるものは異常値として病気であり治療の対象になるが、わずかな異常で病気とも言えない軽度異常値を示すものは病気予備軍なのか、肥満など病気とは関係なく上昇しているかを分析した研究である。人間ドックの総合判定などの時に参考にしていただければ役立つかもしれないという研究である。 一定期間のすべての人間ドック受診者について性、年齢別にGOT、GPT 、などの平均値を出し、その中で軽微異常値を示すものは何パーセントで、病的意義はあるのかないのかということを検討したが、色々な項目に分類して平均値を出す作業が大変で妻にその計算を手伝ってもらったことが懐かしい。私は細かい計算は苦手だったのでかなり助かった。博士号がもらえた功績の半分以上は妻の物だったと思っている。 論文の指導教授はすでにお亡くなりになってしまったが、学位授与式の時の指導教授の言葉は今も鮮明に覚えている。「学位授与は終わりではない。始まりなのだ。研究者の仲間入りをしてこれから研究していって下さいという儀式なのだよ」と言われた。その後そのお言葉を胸に仕事させて頂いてきたが、博士に相応しい研究や仕事をしてきたと胸を張って言えないが、今後もそれを心がけて仕事していきたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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