男のパラダイス
(笑)、吉原にあるおそば屋さん。
この店での食事前後に
したわけじゃないw
日比谷線に乗っていて、無性に【角萬】(
3月6日訪問記)の『ヒヤニク』が食べたくなって三ノ輪で途中下車。
実際に行ってみると臨時(?)休業orz いてて...
まぁ、それでも近くに【山田屋】(
2月1日訪問記)や【ねぎどん】(
10月30日訪問記)もあるからいいや、と気を取り直して歩き始めた。
と、ふと思い出した。
雑誌
『
東京人 2008年 11月号』に載っていたお店のこと。
『
吉原のそば屋』という記事で、風俗ライターやフードライターが書いたものじゃなくて、江戸文学が専門の立教大学教授が書いた真面目なもの。
『
吉原 現勢譜 今昔図』という大判一枚刷(初版が昭和58年、平成5年に第3版)に明治27年、大正12年(関東大震災時)、昭和33年(公娼廃止時)が今昔図、平成5年が現勢図として載っている。
吉原の案内図としては、”吉原細見”として江戸時代の17世紀後半から出版され、『吉原 現勢譜 今昔図』は現代に蘇った”吉原細見”と言えるものだそうだ。
ここに載っている飲食店で現在に残っているのは、大正12年以来記載されているそば屋の【大村庵】と料亭の【金村】のみとのこと。
※大村庵は載っていないけど、おおまかな吉原の地図は
こちら。
【大村庵】 台東区千束4-28-11
吉原神社の北側斜めにあり、歓楽街のはずれにあるが、近くには数件の
がある。
店内はそんなに古びた感じはない。4人卓x6ほど。
”昔”を感じさせるものはない。
壁に”吉原今昔図”が1枚隠れるように張られているくらいか。
記事では
・現在は70歳の店主夫婦のふたりで切り盛り。営業は8~14:30
・昔は10人くらいの職人がいて忙しくて厳しかった。
・終戦後も多忙で18時開店で夜通し営業、出前。
・明治30年代の開業らしい
・趣味そばじゃない、働く人のための大衆そば
・昔、他の出前が勝手口から入っていったのに、そば屋の出前は貸座敷の大きな
正面玄関から「
おあつらえ」と大声で叫んで中に入った。
とのこと。
『おかめそば』\700をいただいた。
確かに昔ながらの大衆そばの味。飽きないかも知れないが、逆に100年以上も続いてきたことが不思議にも思える。完食。
この本を読んでいなかったら入ることもなかっただろうけど、入ったとしても、テレビを見たり、コミックを読みながら何も感じることもなくそばを食べただろうね。
帰宅後、改めてネットで調べたけど何もひっかからない店。
こういう無名の店でもそれぞれ、いろいろな歴史を歩んできてるんだろうな、とちょっと胸にぐっとくるものがあった。
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食後、店を出ると店主が出前で外に出てきた。
バイクではなく、出前膳に丼一丁乗せて肩に担いで歩き出した。
最近ではなかなか見られない姿だし、なかなか粋な姿なので写真を撮ろうと追いかけて交差点を曲がると...
あちゃっ、
に入っちゃってタイミングを逃しちゃったw
なるほどね、こういうお店が一番のお得意さんだろうね。
※ 2015年2月、閉店を確認