40代女性、左下7、咬合性外傷による疼痛
この痛みには2種類あって、急性歯根膜炎と歯髄塞栓症による歯髄炎がある。
患者に訊いてみても痛かったというだけで、よく分からない。
前回のつづき
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=52
今日はその反対側の左下6の治療。歯根分岐部病変があって、前医では外科治療が必要と言われたそうだが、そんなことをすると事態はより悪化する。
側枝の存在または外傷性の歯周炎と思われるが、以下の治療法で治る。
信じられないかもしれないが、理由は簡単だ。
象牙細管を通して薬液が浸透し、その後細管や側枝が自動閉塞する。
4ヶ月前、この歯の反対側の左下67が突然痛くなって、他院で神経を取られて、噛まないようにバイトダウンされた。なぜ痛くなったかは推測の域を出ないが、食いしばりにより歯髄炎になることはままあり、歯根尖付近の血管が損傷し血栓等が歯髄内の毛細血管に引っかかり、塞栓症というか歯髄梗塞を起こすことによると思われる。
歯髄梗塞の初期段階ではいきなり神経を取らないでも他の梗塞と同じく、ヘパリンやワーファリンの投与で治ることがあると思われる。
しかしそれはもう遅い。
3◯IX添加α-TCPの2回法による根管充填、
そのまま歯冠を再建してしまう。
以下時系列だが、CRの前準備として新鮮歯質の確保、エンドチップによる根管内の超音波洗浄、
2回法による根管充填(精製水+α-TCP>通常液練りのα-TCPセメント充填)、歯肉切除、一挙に歯冠再建、抗生剤投与と進む。
次回は左下7の予定。Perになって歯根尖付近が腫れ、リンパ節まで腫れ、ご飯が食べられず。プリンとかヨーグルト、流動食でしのいでいたそうだ。