7年前に抜歯・再植した症例が7年ぶりに戻ってきたので、昔の画像を探し出してみた。
50代男性、右下5、Per、咬合性外傷、痛くて噛めない
Perというのは歯周炎(periodntitis)の略と思われ、一般的には歯周病ではなく、根尖性歯周炎のことをさす。別に根尖口だけではなく、クラックや穿孔部位など感染しやすい部分にも炎症が生じる。
今回の症状は歯根の一部が免疫細胞により貪食されているようにも見えたが、単なる虫歯か外傷力による破折だったのかもしれない。
とりあえず抜歯して歯根表面を観察したが、膿瘍があった部分には、クラックが認められたので、その部分だけを削除して修復して再植している。
では時系列でアップしてみる。
炎症がある部分の歯質はもろくなっていて、簡単に取れた。
ポストも緩んでおり、内部には硫酸塩
還元細菌が生息していたことが分かる。
その細菌の代謝産物である黒色物質のFeSが沈着しているからだ。
クラックもあるようだ。
破断しているのか吸収が進んでいるのかははっきりしないが、2つに離断していた。
大きい部分だけを使う。
クラックは部分的だった。
開拡してスーパーボ◯ドで修復再建する。
抜歯窩に挿入・固定する。
異物が混入しないようにレジン系仮封材で包帯する。
1ヶ月後、後ろの6番と接着固定する。こうしないと単独歯では咬合力に耐えられない。
この5年後近所の歯医者さんでクラウンを単独冠に交換されたようだ。
2年間はもったようだが、この半年あまり出血等の不快症状が出たので、不安になって再来院された。
つづく