今日の抜歯再植術シリーズ9.0(再々植)
50代女性、左上56、残根7年前、上顎の歯冠修復をされている途中だったようだ。左上56だけは通常治療ができないということで、うちに来られた。残根状態でしばらく放置されていたようだ。このような歯根は内部が虫歯になっていて、しかも6番は歯根が分離して、歯根が短くなっていてポストを立てられない。通常治療では治療不能ということで抜歯の対象になる。結局左上5はPer+歯根破折、左上6はPerで近心根だけ抜歯再植した。治療から3年後、少なくとも見かけは問題ない。これが今回、再植から7年後、左上6の遠心根が分離して遠心に移動している。前医の診断では左上5は歯根破折している。左上6は歯根周囲の歯槽骨がなくなっているので、2本とも抜歯と言われたそうだ。今回は左上5は歯根破折ということで抜歯再植を試みてみた。左上6は遠心根だけは歯槽骨にタッチしていたので残してみることにした。他の2根は周囲に骨が無くなってしまっていたので、ピンセットでつまむと抜けてしまった。すでに抜けていたということだ。再植後は簡易的に補強線を入れて修復した。つづく