再植から1ヶ月後、生着していると思われたので、補強冠で連結固定した。
通常歯根破折するような症例の場合、咬合性外傷がないわけがない。
破折歯根を意図的抜歯後、再植しても、再破折することは当然あり得る。
この点も抜歯再植が普及しない理由の1つでもある。
多くの歯科医師は単冠で修復できれば良いなと考えるが、咬合性外傷がある場合は再破折してやはり抜歯となるとすると患者からクレームが来る。インプラントよりインプラント体その他パーツ代(例えば10万円)だけ安いチャージをいただいてもインプラントより持たない可能性が高い。
インプラントは歯槽骨と骨癒着するので丈夫だ。噛み合わせの対合歯が耐えきれずにグラグラになり抜けてしまったり、破折してしまうことがあるが、これはそのインプラントではないので、言い逃れが出来る。
ではどうやって咬合性外傷を回避し、長期にわたって維持していくか?
今の所、隣接歯と連結固定するのが最も現実的だ。
補強冠は見た目が最悪なので、高いチャージを請求できないこともあり、これも普及しない理由の1つだと思うが、歯牙削除量も少ないので、再治療も容易だし、トータルでは歯は長持ちする。
今回は1つ後ろの左下7にも外傷性のクラック(ヒビ)があったので、この歯の補強も兼ねて6、7の補強連冠とした。
四角部分の拡大画像ではクラックが広がっている。
これだけでは不安なので、歯ぎしり、食いしばりを緩和するナイトガードの作成をした。それは次回の予定。