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今、企画展の「ストラスブール美術館展」と1階の所蔵品展にカリエールの作品が出ているよ。市川館長も以前からこの芸術家に注目しているのでちょっと紹介させていただきます。
カリエール?絵全体がココアのような色で描かれている作品で有名なフランスの画家ですよね?
そうですね。母と子を一緒に描いた作品がたくさんあるので、「母子像の画家」とも言われているよ。詩人のヴェルレーヌの肖像画でも有名ですよ。ヴェルレーヌと言えば同時代の詩人のランボーを思い出す人もいると思いますが、あの頬杖をついだランボーの肖像画の方は、アンリ・ファンタン=ラトゥールが描いた群像肖像画の一部ですよ。そこにも隣にヴェルレーヌも描かれているけど。多分、ヴェルレーヌの肖像画は、カリエールが描いた方が有名。 肖像画もたくさん描いたんですね。 そうだよ。「ストラスブール美術館展」でも「ガブリエル・セアイユと娘の肖像」という作品が展示されているし、茨城の近代美術館には、カリエールの「オーギュスト・ロダン」というリトグラフもあるんだ。それから茨城の近代美術館には今、1階に展示されている「『習作』または『絵画』」と題されている重要な作品があるよ。この作品、以前は「母と娘」と題されていました。 以前は、というと?「母子像の画家」にふさわしい「母と娘」とは違う? 題名は「『習作』または『絵画』」になりました。実は、この作品の向かって右側のパレットを持っている女性はカリエールの娘のエリーズと言われている。画家になったカリエールの娘さんです。実は「『習作』または『絵画』」の<習作>となった作品もあって、こちらは、これもまたストラスブール展に展示されている画家のモーリス・ドニがかつて所蔵していたことがあり、「『習作』または『絵画』のための習作」と題されているからややこしい。カリエールには彫刻家になった息子もいて、5年後にこの息子ジャン=ルネをモデルにして「『写生による習作』または『彫刻』」という作品を描いているから、またまたややこしい。 んんんんんんん... ちょっと整理しないと。 茨城県近代美術館の「『習作』または『絵画』」は、「母と娘」という作品名で、お医者さんの故・志村巌さんから寄贈されましたが、その頃は、この作品がどこにあるのか、美術界の研究者には知られていませんでした。だから、東京の国立西洋美術館で「ロダン+カリエール展」が開かれた2006年には、「『習作』または『絵画』のための習作」の方が出品されたのでした。しかし2008年にカリエールの<カタログ・レゾネ>という全作品カタログが出版された時には、当館側からの申告によって、「『習作』または『絵画』」が茨城県近代美術館にあるということが知られるようになりました。実は、カリエールの作品が当館に4点ありますが、それらはいずれも、先の志村さんの寄贈によるものです。そして、かつて単に「裸体」と言われていた作品も、このカタログ・レゾネのおかげで、作品の主題内容が「アキレウスにヘクトールの死体を要求するプリアモス」(1876年制作)という作品のアキレウス部分の胸像習作であることが分かったんだ。 んんんんん、今回はややこしくて難しかったけど、美術作品を調べるには、カタログ・レゾネという大事な文献があることが分かりました。そして、茨城県近代美術館には、カリエールの作品が4点もあり、それは、個人の篤志家による寄贈だったことも分かり、とてもためになりました。故・志村先生ありがとうございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2013年08月22日 16時55分08秒
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