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カテゴリ:豊島区
呑むというとかつては池袋で呑んだものです。呑み会の幹事を喜び勇んでは引き受けて、自分の馴染みにできそうな候補店にあたかもよく知った店であるかのように振る舞い、数多の犠牲者を巻き込んで呑み歩いたものです。それらの酒場で未だに通う店はごく僅かであり、やはり邪なこずるい性根ではまともな酒場に行き着けることなどは、酒場の神様が許してなどくれないのでしょう。そんなどうしようもなくジコチューで我儘だった時代のぼくが足繁く通った一軒がありますが、随分とご無沙汰してしまったのでたまには顔を見せておくことにしました。
池袋駅北口を出てしばらく歩くと、やがて庶民的な商店や飲食店に混じって、本場の料理を出すということでじわじわと増殖する中華料理店が目立つ平和通りに「きらくや」はあります。串カツとおでんを中心にありとあらゆる肴のある居酒屋さんです。特に渋いわけでもないし、値段も今となってみるとそう安くもないのです。でもこの店で馴染みになるといいことがあるのです。相変わらず陽気で元気な女将さんですが、ぼくの顔を見るとおや随分と久しぶりじゃないと喜んでくれますが、それも束の間の事ですぐにかつての付き合いと変わらぬズケズケとした物言いでぼくを苦笑させるのでした。ちょっとツンデレ系のキャラクターなんですね。開けっぴろげな性格の方なので、かつてはここでは書けぬ深刻な悩みをぼくに相談したりする一面もあって、客と店主との垣根を越えた旧友のような付き合いがこの店を思い出したように訪れる理由です。女将さんは料理の手際も良くて混んでさえいなければオムライスなんかのメニューにないものでもチャッチャか作ってくれるのが若い頃のぼくにはありがたかったのです。そういえばおばちゃんの年聞いたことなかったけど、お幾つになられたんだろう。昔からおばちゃんはおばちゃんのままだったけど、ぼくももう立派なおっさんになったのだから、結構なお年になられてるのだろうなあ。まだまだ元気でいてくれそうだけどもう少しちょくちょく顔を出すようにしましょ。 結構いい具合に酔っ払ったのでぶらぶら歩いて、キャバクラ街でひっそりと営業している「四國屋」にお邪魔しました。ここには随分前から何度もトライしています。初めて伺ったときは扉が重くて鍵が掛かっているものと勘違いして入らず、それ以降もいつも窮屈そうな店内は客で一杯で機会を逸し続けたのでした。今回ようやく入れましたが悲しいかなほとんど覚えていないのです。具体的な出来事をここでつぶさに書くことは控えることにしますがー実際には顛末の詳細どころかアウトラインさえ朧気だったりするのですがー、ちょっとしたトラブルに巻き込まれたのでした。断じてぼくが引き起こした出来事ではなく、店の方にも他のお客さんにも迷惑は掛けなかったと言うことだけを付け加えておきます。そんな訳で幾分かの苦い記憶を残してしまったので、ほとぼりの冷めた頃にまた改めてお邪魔できればと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/10/05 08:37:42 AM
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