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カテゴリ:豊島区
クリスマスでもクリスマスイブでもどちらでも構わない。いやそのどちらでもないのだからそれこそどうでもいい。長年通う護国寺のビストロでディナーすることになりました。護国寺駅を出て首都高の入口やらでごちゃついた道を越えてやがて日本女子大に到達する坂をえっちらおっちら登っていくと、目指す店はあります。初めて来た頃はぼくもまだ若かった。というか最初にその店を見掛けた時には、そこに食べに行ったわけじゃなく、そのお隣にある四ッ谷だか高田馬場にあったそこそこ手頃で知られていたビストロの系列に行ったその帰りでした。盛況だった系列店やらには、文句を言うほどではないけれどあまり満足できなかったことを覚えています。その帰りしなに横切ったのがこれから向かう店の前進であります。本場フランスでは、食事処のランクがレストラン、ビストロ、ブラッスリーの順に格が下がるというかカジュアルになると聞きましたが、その真偽はともかくかつてのそのお店の雰囲気はブラッスリーに近い印象でした。真っ赤な看板はアメリカンダイナーもしくはインドレストランといった印象であり、まあとにかくあまりビストロっぽくなかったわけです。暗い店内には米兵ーに見えたーしき二人の不良外国人が、表に向かって暗くて好戦的な視線を投げ掛けながらーいや、これはあくまでも当時の主観的な印象ですーワインをガブリと呑むのを眺めて、これは一体どういう店なのだろう、ぜひ今度来たいものだと思い、その翌週には訪れていたのでした。その当時の店名がどうしても思い出せぬまクリスマスメニューの出るというイブイブの夜にお邪魔したのでした。
「マルカッサン」は、休みの前の夜に訪れてゆっくり時間を掛けて呑みたいと思う数少ないお店です。普段のメニューだとデゼールー気取ってフランス語風に書いてみたーにチーズの盛合せをオーダーできるので、これでだらだらとワインをやるのがとてもいいのだ。しかしこの夜はクリスマスなのでデゼールにはブッシュ・ド・ノエルをいただくことにします。普段はケチって頼まぬ食前酒、キールも甘くて美味しい。毎晩は呑みたくないけれど、年に一度位だと大変に有り難みが増して贅沢な気分にしてくれます。一皿目、二皿目と一品一品ご説明差し上げても良いのだけれど、そんなもの下手くそながらも写真の一枚一枚のほうがよほど説得力があるはずなので割愛します。この特別なディナーのお楽しみは、普段なら単品となるところをいろんな種類が盛り付けされているのでいつも以上にのんびりと色んな味わい、食感、香りで楽しめ、しかも目にも楽しいのがこの上なく祝祭的で楽しいのです。日頃もこういう盛り合わせをやってくれると嬉しいのですが、それはまあプレフィックスとすることで単価を下げるのだろうから致し方ありません。いつもならここでチーズとなることはもう書きましたが、この夜は折角なのでブッシュ・ド・ノエルを頂きます。そしてそれが大正解。ピスタチオのクリームがこれでもかとビッシリと包まれていて興奮の旨さ。思わずお土産にできないかとお尋ねしたけど人数分しかないとのこと、クリームに随分お金をかけたと仰っていました。そうこのマルカッサンという単語は猪を意味するのですが、店には猪の飾り物があちこちに飾られています。ふーん、よほどイノシシが好きなんだなあと全く想像力も働かせることなく思い込んでいましたが、シェフの生まれが亥年だったとは、あまりにも分かりやすいのに気付かずにいたとはとっぽいことよ。そうそう前の店名もようやく忘れずに伺えたのでした、「ル·モガドー」でした。これはどういう意味なんだろうなあ。と、調べりゃいいのに調べないのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/01/27 08:30:05 AM
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