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カテゴリ:豊島区
西武池袋線の東長崎駅の周辺は、飲食店は夥しい程にある割には居酒屋とかいった酒を呑ます事を本懐とする純水型の酒場が少ないように思われるのです。こうした町のご多分に漏れず他の飲食業態がそれに取って代わるという典型的な在り方をこの町は体現しているのであります。だからこの町では居酒屋も珍しいけれどビストロなんかのちょっと小洒落た業態も似合わぬと思っていました。しかし、迂闊でしたが東長崎には定評も歴史もあるビストロがあるという事をつい先頃に知る事になったのでした。ビストロとかイタリア料理店などにはお気に入りはあるけれど、ぼくの気持ちでは酒場ではありません。いやまあいつもであれば、普通に酒を呑める店ならどこでも酒場であると主張するところであるけれど、ビストロなどの一部のお店を訪れる、この時ばかりはやはりそこは酒場ではないのです。その差はひとえに食事することに主眼が置かれているということになり、仮に料理があくまでも脇役となるような使い方をしたらそこは一転して酒場となるのだから不安定な事、この上ないのです。 さて、目指したのは「レストラン セビアン(restaurant c'est bien)」です。いかにもビストロといった可愛らしくて古典的な意匠をまとったその外観からしてすでにビストロ気分を高めてくれるようです。世間を見渡すとそこらのチェーン店や居酒屋みたいなビストロなんてのもありますが、それって非常に興醒めです。やはりこうしたお店は、ハリボテでもいいし、例えば「東京パリ食堂」のようなスナック風でもいいから、あまり逸脱し過ぎない程度の非日常を感じさせてもらいたいのです。外観は良いけれど店内は、どうも工夫の余地があるように思えるなあ。さて、前菜はサーモンの燻製にピスタチオをまぶしたものに根セロリのソースを添えたもの、本日のポタージュはかぼちゃ、この濃厚さはバターナッツか。メインの魚料理は白あま鯛のソテー,肉料理は鹿肉のグリル。デザートがアマゾンカカオにチーズケーキとラズベリーのシャーベット。と、実のところ料理にはとても感心させられました。東長崎などという場末めいた町でこれたけの料理は立派だと嬉しくなりました。しかし、給仕の方たちのサービスは如何なものか、そこらの居酒屋レベル、いや愛想の悪さという意味ではそれ以下かもしれぬ。そして彼女らをそういう態度にさせるのは客の側にあるのかもしれない。いやまあ品がない事、この上ないのだ。団体の数世代混合ファミリーはある程度多目に見るとしても、老夫婦とその娘の傲岸不遜振りは目に余るものがありました。余りのはしゃぎぶりに、他所の客がクレームを入れるのも無理からぬことです。いやいや、大体がそのクレームをつけた客本人も酷い酒の呑み方で文句を付ける権利はなさそうに思えるのです。質の悪い客は最終的には店そのものを駄目にしかねぬから是非出入り禁止を含めた対処を期待したいところです。このままだと場末のスナックになりかねぬようで本当に心配に思うのです。本当に惜しいなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018/09/21 08:30:11 AM
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