|
カテゴリ:豊島区
北池袋の付近には先般も書いたように案外古い飲食店が生き延びていたようです。これまでも散々っぱらこの界隈を歩き回ってきたのにその事実に気付けなかったのには、いくつなかの弁明に足る理由があると思うのです。というのが、ぼくは普段町歩き―この町歩きという表現って何だかなよなよとして隠居者めいた鈍くさいイメージがあって好きになれぬのです―、いや散策もしくは探索するに当たって、つい避けてしまうのが大通りであります。そこには人通りの多い道も含まれるけれどそれ以上に幅広の本来の意味での広い通りが好きになれぬのです。その心待ちはまあそう特異なものではないと思うから、同意してもらえる方も少なからずおられると思うのです。あっ、ということはぼくのそれはまさしく陽のあたる場所、メインストリートを避けているのだから、それはぼくの忌み嫌う町歩きそのものなのかもしれぬと思い当たるにつけ、自分自身に嫌気がさしたのでそろそろ本題に入ることにします。
明治通り沿い、先般お邪魔した般若湯を掲げる居酒屋のお向かいにあるのが「中華楼」です。 まさに大通りに面していて、徒歩ばかりでなく都バスの車窓からも何度となく目にしているはずなのですが、ちっとも記憶にはないのです。確かに見た目には本場の中国人が経営する中国料理店とも見えぬことはないのでして、敢えてぼくの脳が認識するのを拒絶してしまったのかも知れません。さて、店内は思ったより広くて、カウンター席と卓席に加えて、奥には座敷だったか個室めいたスペースもあるようです。そこでは、主人らしき方が何やら取材のようなものを受けているように思われます。地元のミニコミ誌なんかの取材のようにも見えましたが、案外もっと広範に放映されるTV番組なんかの取材なのかもしれません。店のベースは赤を基調としたオーソドックスなもので、普通の感覚だとこんな色彩の中で食欲が亢進するとも思えぬし、ましてやリラックスとは縁遠いと思うのだけれど、こういうのに安堵を感じるよう幼少期から刷り込まれてきたのであります。赤を見ると中華料理を無性に欲するよう洗脳されているのではなかろうか。ここでは酒呑みなら冊子のメニューより壁の品書を眺めるのが良いかもしれません。酒の肴に適当な品が少なくありません。ひき肉入りの玉子焼きとポテサラを注文します。特に玉子焼きのような手早く作れる酒の肴はとても好きです。自分で拵えようとすると火が通り過ぎぬよう気を遣いすぎたり、卵を丁寧に撹拌しすぎて単調な食感になったりとなかなかに奥が深い物なのです。お客さんは疎らです。ここの混み合う時間帯はもっと遅くなのだろうか。住宅街の奥深くの店は早目に店を閉めてしまう傾向があるけれど、大きな通りに面する店は遅くまでやっている気がする。タクシーなんかの運転手が立ち寄ったりするのだろうか。また夜中に酔っ払って歩いている際にでも、立ち寄ったりする事がありそうです。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/12/04 08:30:07 AM
コメント(0) | コメントを書く
[豊島区] カテゴリの最新記事
|