|
カテゴリ:豊島区
池袋の東口側にある美久仁小路はかつては危な気で怪し気な呑み屋街でした。いや、実際に呑み歩いてみるとけしてそんな物騒な通りではなくて気軽に立ち寄れる呑み屋もあったりして肩の力を抜いて徘徊できるそんな通りでした。それでも小路というよりは、横丁の呼び名が相応しい味わいある通りだったのですが、しかし、周辺の再開発により人生横丁、ひかり町が失われた頃から通りの様子が少しばかり違ってくるのを感じました。残された栄町通りはまだしも往時の雑然とした雰囲気を留めていますが、美久仁小路は池袋らしからぬ垢抜けた落ち着いた風情に様変わりしてしまったように思うのです。茶屋街とはいかにも良く言い過ぎではありますが、そんな雅さすら漂わすしっとりした趣を備え始めたようでもあります。
さて、そんなちょっと気取った大人たちが似合いそうな呑み屋街へと変貌を遂げた美久仁小路ですが、数年前までは随分古くからやっているお店も多少は残っていたのですが、「ふくろ」の改装などもあったりと、どこかしら急ごしらえのオープンセットのような白々しいムードが漂いだしたのです。でもまあ池袋はこれまでずっと場末だとか下品だとか言われ続けてきたんだから、これからは品格のある町を目指したっていいかなって気持ちがぼくにも生まれてきたのです。「ゆたか家」も美久仁小路、そして池袋が変化する過程に開店した一軒と思えば応援したいと思えるお店に思えてくるのです。お店は、う~ん、ほとんどお客さんは入っていません。飲食業界はホント、大変ですね。うっかり協力するなんてことも言えないし困ったものです。さて、実直そうな若いご主人はそれにもめげる様子もなく淡々と仕事をしています。肴も酒も特筆するべき点は見当たらなかったような気もしますが、居酒屋なんてものはあんまりとんがってるところがない位がちょうどいいんだと思いますそして真面目に粘り強く商売を続ければ、やがてここに顔を出さねば週を終えられないなんて気持ちになる方ができてくるんだと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/12/23 08:30:05 AM
コメント(0) | コメントを書く
[豊島区] カテゴリの最新記事
|