テーマ:F1(444)
カテゴリ:モータースポーツ(4輪)
伝統の1戦モナコGPなど、公道サーキットは魅力的な響きがある。 一方現代のモータースポーツは車両、ドライバー側だけでなく、サーキットの施設側にも多くの安全対策を要求している。 国際戦が開催可能なサーキットの認証は各年ごとに、4輪、2輪で別々に行われる。 F1GPやMotoGPを開催するごとに、何らかの設備改変がなされる。 都市をサーキットに変える ロイター …(略)… 6月下旬のシンガポール。 この島国のビジネスの中心地に隣接したマリーナベイ地区のダウンタウンに施設や建物が突然、出現する。 レースが行われるマリーナベイ・ストリート・サーキット周辺の拠点とされる地区では、数ヶ月をかけて仮設の施設が、最先端の、来場者を手厚くもてなす場所に姿を変えていく。 最初のコンクリートブロックの積み込みは、5月に始まる。 シンガポールGPの開催は9月なので、かなり早い時期から準備が始まるのだ。 ブロックは、ナイトレースになくてはならないものをサポートするために使われる。 地上10メートルでアルミ製のトラスに固定された照明プロジェクターを支える鉄塔の土台となるのだ。 一方で、日曜日のレース終了後には、シャンパンの最後の泡が表彰台に飛び散ると同時にサーキットの解体が始まる。 月曜日の朝には主要な道路をいつもの姿に戻さなければならないのだ。すべての取り壊しが完了するまでには2か月を要する。 10年に及ぶ経験で、サーキットのインフラを担うシンガポールGPの技術チームは、いまではマリーナベイ地区を日常的に利用する人々の交通の混乱を最小限に抑えるエキスパートとなった。 毎年開催されるシンガポール最大のイベント、ナショナル・デイ・パレードの期間中にもその技術は役立てられている。 技術チームの助監督、クリストファー・チュー氏は「サーキット周辺のホテルやショッピングモールなど関係者の協力の下で1年中作業をしています」と語る。 「作業は段階ごとに領域を明確にして行うことで、周辺の交通やビジネスへの影響を最小限に抑えています。また、作業全体がスムーズに行われるように、各種の政府機関と密接に連携をしています。また、私たちは常に向上しようと努めています。何年もの間努力を積み重ね、道路の閉鎖期間を短縮してきました。2008年には閉鎖期間は12日でしたが、今では6.5日になりました。大幅な短縮です」 初開催の08年から行われている。 240本の鉄塔、1600基の照明器具、一周5.063キロのコースを網羅する約11キロのケーブルによる照明システムの設置も今では極めてあたりまえの作業になっている。 準備が整えられたマリーナベイ・サーキットには、23箇所のコーナーがあり、超一流のドライバーたちに究極の挑戦を求める。 「難易度の高いサーキットです。短い直線や、急カーブが多く、起伏に富んでいます」 ベテランレースジャーナリスト、モーリス・ハミルトン氏は語る。 「トラックのコンデイションも昼と夜で大きく変化し、それに対応しなければなりません。そうしたさまざまな条件により、シンガポールGPはとても魅力的なレースとなり、すべてのF1レースの中でも類まれな地位を築いているのです。初めてシンガポールに来たときには、はたしてうまくいくのかと危惧したものですが、蓋を開けてみればまったく問題はなく、初日から見事に準備がされていました」 ハミルトン氏は続ける。 「事が起こればしっかり対応する。これこそがシンガポールがF1グランプリを開催し続けられている秘訣でしょう。当初は問題も散見されましたが、その都度、しっかりと対処されています。レースで浮き彫りになった問題点は、翌年には修正されているのです」 7月には、日常的な車両や歩行者の移動の邪魔にならない場所に、防護壁が設置される。 このような準備は5カ月に及び、それがレース開催期間の熱狂として結実するのだ。 その時期、シンガポールは、世界のスポーツやエンタテインメントメディアからの熱視線を浴びることになる。 …(略)… 世界中への中継と放映に毎年1億3,500万シンガポールドル(約100億700万円)がかかるものの、シンガポールGPは、シンガポールが活気ある革新的な都市だというイメージを世界に発信していることはもちろん、レースがもたらす経済効果も莫大だ。 シンガポール政府の17年の発表によると、08年の歴史的なナイトレースの開催以来、シンガポールGPは海外から45万人の観衆を集め、観光収入に14億米ドル(約1500億円)もの貢献をしている。 シンガポールGPは地元企業にとっても、絶好のビジネスチャンスとなっている。 ― 引用終り ―レース関連事業の90%以上をシンガポールの企業が下請けとして担っているのだ。 F1GPの開催する団体と観光収入を得る組織・団体は違う。 ナイトレース開催に必要な設備費用の負担を含めて、莫大な費用の負担をする組織・団体が必要になる。 最近のF1戦の開催には行政機関が絡んでいることがほとんどの理由が、費用負担の問題。 巨額の投資を行ってサーキットを建設したにも関わらず、韓国、インドなど早々にF1GP開催を返上したのは、費用負担に耐えられなかったためだ。 2018年9月11日 F1-Gate.com 日本でもF1GPに限らず数々の公道サーキット構想があったが立ち消えになったのは、別の理由。 公道をモータースポーツで占有使用することを警察が認めないからだ。 電気自動車のフォーミュラEシリーズは各国で都市の公道サーキットで開催されているが、日本では日本政府主催か後援とでもならない限りムリ。 市民からの苦情が1件もなく、競技による競争当事者以外の事故が皆無であることが証明されれば、可能だろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年09月21日 16時00分08秒
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