テーマ:石油価格(408)
カテゴリ:経済
11月16日、IEAは2022年の平均原油価格想定を79.40ドルと発表した。 シェールオイル生産のトリガー価格は70ドルとされ、米国内の石油産業が復活できる価格となっている。 原油価格の22年平均想定、 =IEA月報 2021/11/16 REUTERS 国際エネルギー機関(IEA)は16 日に発表した月報で、北海ブレント原油の2022年の平均想定価格を1バレル=79.40ドルに引き上げた。ただ、石油価格が先月3年ぶりの高値を付けたことを受け産油量が世界的に増加し、石油価格の上昇が鈍化する可能性があるとの見方を示した。 21年の平均価格は1バレル=71.50ドルと想定。先月の月報での平均想定価格は22年が76.80ドル、21年が70.40ドルだった。 IEAによると、月報で想定価格を公表することはまれだが、前例がないわけではなく、「われわれの見通しを理解する上で有用とみられる場合には想定価格を公表している」とした。 IEAは「世界の石油市場はあらゆる面で逼迫しているが、供給が増えているため価格上昇は近く一服する可能性がある」と予想。米企業は投資規律を厳格に運用しようとしてるが、現在の価格水準は生産を増やす強い動機となり、供給増の大半は米国からもたらされるとした。 ― 引用終り ― 短期的には今回の石油価格上昇はコロナ後の景気回復にマイナスであるが、中期的にはシェールオイル産業の回復ともなり、マイナスと言い切ることはできない。 産油国にとっても、原油価格の上昇は一時的にプラスであるが、潤沢なオイルマネーの投資先は景気回復が重用であり、世界の景気が足踏みすることは短期的にも中期的にもプラスと断言できない。 産油国である米国が、短期的な原油価格の上昇で石油備蓄を放出することに反対する意見が出るのは、当然のこと。 米国の石油備蓄は、国民生活の安定ではなくエネルギー安全保障のための備蓄であるからだ。 ガソリン価格押し下げで =下院院内総務 2021年11月17日 REUTERS 米民主党のホイヤー下院院内総務は16日、高騰するガソリン価格押し下げに向けて戦略石油備蓄を放出すべきというシューマー上院内総務の呼び掛けに賛同しないと明らかにした。 ホイヤー氏は「戦略石油備蓄は、価格上昇局面でなく、緊急時に供給が崩壊した場合への備えだ」と強調し、石油供給の遮断につながる中東地域での問題などに言及した。 ― 引用終り ― 日本の石油備蓄は利権と政争の具なので、「石油ショック、再来の兆候」と煽りも入る。 総選挙まであれば備蓄の放出や補助金の支給など、政権維持のためのあらゆる方策が案出されたに違いない。 シェールオイルが経済的に産出される前、WTIが1バレル100ドルで長期間世界経済が循環していたことなど、すっかり忘れてしまうのだろう! 恐れるべきは投機筋に利益が多く出るように、短期的な石油価格の乱高下が演出されることのはずだ。 …原油価格が在庫急減で高騰、 シェールオイル枯渇の鉱区も 藤 和彦 コンサルティングフェロー 2021年11月2日 RIETI 独立行政法人経済産業研究所 米WTI原油先物価格は10月20日、7年ぶりに1バレル=84ドルをつけた。OPECとロシアなどの産油国からなるOPECプラスが協調減産を続けていることから、経済協力開発機構(OECD)加盟国の8月時点の原油在庫は過去5年平均を大幅に下回っている。日本をはじめ北半球の気温が低下し始めたことで、需要期の冬場を前に需給逼迫の懸念が実感として警戒され始めている。 ― 引用終り ― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年11月26日 16時00分07秒
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